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百合カップリングはこちらに… 女の子同士じゃ何も生産しないんだぜ。とか、女の子同士の恋愛なんて興味すらないんだぜって人は即リターン
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「ねぇねぇ、これだよね?美希ちゃん可愛い!」 祈里は開いたファッション雑誌を美希に見せ、小声ながら興奮気味に賛辞を贈る。 ありがと、と少し苦笑いで答える美希に祈里は軽く小首を傾げる。 クリスマス一色に彩られたショッピングモール。今日は二人で買い物だった。 フラリと立ち寄った書籍コーナーで美希の載った雑誌を見付け、 祈里は我が事の様にはしゃいでいる。 「どうしたの?あんまり気に入らない?」 「うーん、何て言うか…ちょっと可愛いらし過ぎるかなぁ…って」 「そんな事ないよ!確かにいつもとイメージは違うけど。 すっごく素敵だもん!」 どうしてアナタがムキになるのよ、と美希の苦笑が深くなる。 でも、美希の事を悪く言うのは美希本人ですら許さない!と 言わんばかりの勢いに嬉しくなるのも確かだ。 この写真の美希は、長い髪をツインテールに結い、毛先をくるくると 巻いている。 メイクもいつもは切れ長を強調させるような、クッキリした目元にしている 事が多いのに少しタレ目気味に作ったアイラインに付け睫。 チークも寒さで紅潮した感じを出すために、明るいピンクを頬に広めに入れている。 ふわふわした耳当てに、ハイゲージのざっくりしたミニのニットワンピ。 オーバーニーソックスにレッグウォーマー、足元もふんわりした ブーティー。 全体を白でまとめ、ポーズも凍えた手を温める為に息を吹き掛ける 様に口元に手を持っていっている。 一歩間違えば子供っぽいを通り越して、媚びたあざとさが見えそうな 構図だが、敢えて長身で大人びた容姿の美希がする事によって 絶妙の甘さ加減になっている。 「うん、ありがと。でもこういうのはブッキーのが似合いそうだよね」 「そうかなぁ?わたしが着たらコロコロになりそう」 「そんな事ないわよ。まあ、全身白は膨張して見えそうだけど、 ちょっと濃い色でポイント付けたりしたらきっと可愛い」 「ほらぁ、やっぱり。こんなのは美希ちゃんみたいにスラッとしてないと 厳しいんだと思った」 「だから、似合うって言ってるのに何で言葉の裏を探るかなぁ」 「いいよー。自分でも丸いのは知ってるもん」 祈里の拗ねた振りの上目遣いを、美希は苦笑では無い笑顔で受け流す。 ラブやせつなには少し申し訳ないが、こうして二人きりで過ごせるのが嬉しい。 今年のクリスマスは四人でのパーティは無理になってしまった。 桃園家はクリスマスに合わせて旅行らしい。 かと言ってクリスマス前には四人とも予定が中々噛み合わず、 25日を過ぎてからパーティと言うのも…と、何となくお流れになってしまった。 でもまあ、忘年会に初詣。新年会だってあるし、集まる機会はいくらでもある。 四人でワイワイ出来れば名目は何だっていいのだから。 「でもつまらないね。今年はラブちゃんもせつなちゃんもいないなんて」 雑誌のページを捲りながら唇を尖らせる祈里に、美希の高揚していた 気分はパチンと音を立てて萎んだ。 (アタシと二人きりじゃつまらないの?) 悪気が無いのは分かる。でもどうせなら二人で楽しく過そう、 そう言って貰いたいと思うのは我が儘なんだろうか。 チラリと祈里の読んでいるページに視線を走らせる。 『冬のモテファッション』とデカデカと特集されたコーナー。 如何にも『男子ウケ』を狙った甘ったるくガーリーなコーディネートや、 ティーンズ向け雑誌だからあからさまな露出は控え目だが、体の線を 強調するピッタリしたトップスにミニスカートやショートパンツ。 美希の心にチリッと小さく火傷したような痛みが走る。 あんな服は祈里には似合わない。 ただでさえ女の子らしい祈里なら、あまりにもフリフリした格好は 却って嫌味に見える。 それに、小柄で華奢なわりに発育の良いのを少し気にしている祈里なら、 あんな胸や腰の曲線を見せ付ける様な服はいつもは興味を示さないのに。 (誰かにモテたいワケ……?) 最近こう言う事が増えた。 祈里の些細な言動が心を引っ掻き、ささくれさせる。 祈里は可愛い。でも本人はどれくらい自覚しているんだろう。 同世代の男の子にとっては、手入れの行き届いた美少女然とした 美希よりも、ほんわかおっとりとした祈里の方が受けが良いだろう 事も想像がつく。 今は、まだいい。真面目なミッション系の女子校。ましてや中学生なら 彼氏持ちなんて極一部の積極的な子達だけだろう。 それに祈里なら、あまりそう言うタイプとは接点がなさそうだし。 でも高校生になったら? きっと祈里の周りの真面目な子達も普通に異性に興味を持ち始めるだろう。 友達に彼氏が出来た、なんて話を身近で耳にするようになれば、 祈里はどんな反応を見せるのか。 それに祈里は獣医を目指しているのだから、大学は獣医学科のある所を 受験するはずだ。 それなら当然共学になる。 祈里のような可愛い子がフリーでいたら周りが放っておく訳がない。 いずれ同じ年頃の異性に恋をして、恋人に誉めて貰う為のメイクや 服装を研究したり………。 (馬鹿じゃないの?どこまで妄想してるんだか) 自分で自分を茶化して見ても、虚しくなるだけだった。 マッチで擦った様な小さな炎が胸を焼く。 その炎はまるで薄い紙を一瞬で燃え上がらせる様に、美希の苛立ちに 火を付ける。 些細な嫉妬を燃やした煤が心を内側から黒く汚していく。 祈里の所為じゃない。 彼女にとって、自分はただの幼馴染みの友達なのだから。 まさかその友達が、邪な欲望を隠した目で見ているなんて想像もしないだろう。 「…美希ちゃん、美希ちゃん!」 「え?あ、何?」 「携帯、鳴ってるんじゃない?」 「えっ?!」 バッグの中で携帯が振動している。 ぼんやりと馬鹿みたいに物思いに耽っていてまったく気づかなかった。 「…あ、マネージャーから…」 「掛け直す?」 「…うん、ちょっと待ってて」 (はぁぁ……重症かも…) その場を離れながらため息をつく。 クリスマスを二人で過ごしたい。ただそれだけを言うのに何をグズグズしているのか。 別に祈里は何の躊躇いも無く受け入れてくれるだろう。 仲良しの友達からの誘いなのだ。断る理由なんて無い。 (好き…って言ったらどうなるんだろう) あの無邪気な笑顔が凍り付くのが恐い。 はっきりとは断られなくても、ほんの少しでも拒絶や嫌悪を感じてしまったら…。 立ち直れる気がしない。そうでなくても告白なんてしたら元の気の置けない 幼馴染みには戻れない。 でも、もうそろそろ限界なのかも知れないと感じていた。 さっきの様に祈里の何気無い言葉一つにいちいち苛立ちを覚え、 ストレスを募らせる。 自分のいない所で祈里がどんな風に過ごしているのか気になって仕方がない。 理不尽な苛立ちを祈里にぶつけてしまうのも時間の問題だった。 祈里には美希の苛立ちの意味すら分からないだろうに。 「……あの、困ります…」 「いいじゃん、男二人でカフェとか入り難いんだよね」 「そうそう、一緒に行こうよ。奢るからさ」 「…でも、その…友達を待ってるんで…」 「だからさ、だったら友達も一緒に!」 「二対二で却ってちょうどいいし…」 半ば上の空で掛けた電話に手間取り、戻ってみると祈里が二人組の 高校生くらいの男に絡まれていた。 困った顔できっぱりとした拒絶も出来ない祈里に、押せば何とかなりそう、と ばかりに迫る二人組に、美希の落ち着きかけていた苛立ちに再び 火がくべられる。 「この子に何か御用ですか?」 顔だけは完璧な微笑みを浮かべて祈里を引き寄せる美希に、祈里が 安堵の息をつく。 二人組の高校生は、現れた『友達』が想像を遥かに越えた美少女なのに 幾分気後れしたような表情を見せた。 美希は相手の僅かな怯みをすかさず捉え、追い縋る隙を与える 暇も無くあっと言う間にその場を後にした。 そこから先はよく覚えていない。 気が付けばショッピングモールを出るどころか、どこをどう歩いたのか 人気の無い裏道を速足で歩いていた。 「…待って!ねぇ、美希ちゃん、待ってよ…」 祈里が小走りに追って来る。 「ごめんね、あの、わたしがぼんやりしてるから…」 「……まったくだわ…」 吐き捨てる様な美希の呟きに、祈里がびくりと竦むのを感じた。 どうしよう。イライラが止まらない。 こんな事、言いたいんじゃないのに。 「あ、あの、あのね。最初はカフェの場所聞かれただけなの。 そしたら、なんか、分からないから案内してとか言われて…」 「ショッピングモールの中のカフェなんだから本当に分からないなら 店員に聞くでしょ?!女の子が一人の所にわざわざ声かけるって、 どう考えてもナンパでしょ?気付こうよ」 「そっか、そうだよね…」 「知らないので店員さんに聞いて下さいとでも言って、すぐにその場を 離れればいいでしょ?何を馬鹿正直に相手してんのよ!」 「でも…美希ちゃんを待ってるとこだったし…」 「そんなの、戻ってその場に居なければ電話でもするし!第一何の為に 携帯持ってるの?移動しましたってメールでも打てばいいだけだし!」 「……あ、うん。あの、ごめんなさい、何だか焦っちゃって…」 「ぼんやりしてるから、あんなチャラいのに絡まれるんだからね!」 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。 祈里は悪くない。そんな事分かってる。 あれで良かったんだ。祈里は美希とは違う。 しつこいナンパを相手に気を悪くさせないように断るスキルなんて 持ち合わせていないのだから。 下手な断り方をして恨まれたりしたら却って面倒な事になる。 自分ならあの程度なら軽くあしらえるのだから、祈里を責めるのはお門違いだ。 「………だから、次から気を付けるのよ…」 大きく息を吸い込み、気持ちを落ち着かせて何とか刺のある口調を 引っ込める。 「うん!」 美希が語気を和らげた事にホッとしたのか、駆け寄った祈里がそっと 手を繋いできた。 美希は祈里の顔を見ない様に、正面を睨む様に見据えたまま 唇を引き結ぶ。 どうしてこんなに簡単に手なんか握るんだろう。 今の自分には絶対に出来ないのに。 彼女は何の気負いも見せずに幼い頃と変わらない態度で接してくる。 口を開けばまた余計な事を言ってしまいそうで美希は黙って しんと静まり返った道を歩き続ける。 コツコツと靴音だけが響く中、さすがに繋いだ手を振りほどく事は出来なかった。 口を聞かないものの歩調を祈里に合わせて弛め、軽く手を握り返す。 そんな美希に、怒りが治まったと思ったのか祈里は少し遠慮がちに 話掛け始める。 「美希ちゃん、ごめんさない」 「…いいよ。アタシこそ、ゴメン…」 「ううん、でも美希ちゃんがいてくれて良かった。わたしじゃあんな風に 上手くかわせないもん」 そんな風に言われるのも微妙に複雑だ。 何だか自分が世慣れた遊び人の様に思われてると感じるのはさすがに ひねくれてるだろうか。 そんな美希の気も知らず、すっかり安心した様子の祈里はご機嫌に 話しかけてくる。 「あのね、それでね、美希ちゃん。クリスマス何だけど予定ある?」 「………………」 「良かったらさ、ラブちゃんもせつなちゃんもいないけど二人で パーティしようよ?」 「…………………」 「レミおばさん、毎年イブはパーティに出掛けるでしょ?だったら お泊まりでお喋りも出来るし…」 美希は祈里の手を握り潰さないように必死だった。 クリスマスを二人で。何度も喉元まで出かかっては飲み込んで来た 台詞をあっさりと、まるで拗ねた美希のご機嫌取りのネタにする様に サラリと言ってのけた祈里に殺意に近いものさえ覚えた。 どこまで『安パイ』扱いなんだろう。 最初から分かってた事じゃないか。 ただの友達で、ただの幼馴染みで、しつこいナンパからも守ってくれる お姉さんポジションで。 小さな頃からお泊まりどころかお風呂だって一緒に入ってた。 そんな相手に今更恋愛感情なんて抱くはずがないじゃないか。 馬鹿みたいだ。一人で勝手にキリキリ舞いして、それを相手に 悟られないよう必死になってる。 (もういい。どうでもいい。何て思われたって構わない) これ以上、無理。 友達でいるのも、想いを押さえ込むのも。 どうしたって傷付けるだけ。だったら……… だったらいっそ、嫌われてしまった方がマシじゃないのか。 「ねぇ、何か欲しい物とかある?プレゼント、奮発しちゃうよ?」 「……何でもくれるの…?」 「ん、あんまり高価な物とかは無理だけど…。でも、でも、なるべく ご希望には添うよ!わたしがあげられそうな物なら何でも」 「本当に…?」 「うん!」 「だったら、ブッキーをちょうだい」 ハタと祈里の足が止まる。 「何でもくれるんでしょ?だったら、ブッキーを全部ちょうだい。 アタシのモノになってよ」 「……あの、美希ちゃ」 祈里が上擦った声で呼び掛ける前に、美希は思い切り繋いだ手を振りほどき、 祈里に向き合った。 「好きなの!ずっとブッキーが好きだったの!もう色々無理なの! ブッキーがナンパされてるトコとか見たくないし!こんな風に手繋いだ だけで心臓バクバク言わしてるのバレないようにするとかヤなのっ!」 睨み付ける様に祈里を見据えた瞳から涙がぽろぽろ零れる。 「ゴメン、気持ち悪いよね。幻滅だよね。アタシ、ブッキーがニコニコ してる横でずっとどうやったらブッキーを自分だけのモノに出来るかとか 考えてた…」 「ねぇ、美希ちゃん。聞いて…」 「だからっ!アタシのモノになってって言うのもどんな意味か分かるでしょっ?!」 「ね、だからね、ちょっと…」 「一度、だけでいいから…。一回、アタシの好きにさせてくれたら 二度とこんな事言わないから…」 何度も美希を遮って言葉を掛けようとする祈里の姿など見えない様に 握りしめた拳を振るわせ、泣きじゃくりながら想いを吐き出す。 「お願いだから。一晩、アタシの恋人になって。そしたら、忘れる…」 「…………」 「ブッキーが、アタシの顔なんかもう見たくないって言うなら消えるし…」 「………」 「ホントよ。高校に上がったら寮に入るか一人暮ししてもいいし…」 祈里の声も、表情も、まったく美希の目にも耳にも入っていない。 と言うより見られなかった。 どんな顔で美希の滅茶苦茶な告白を聞いているのか。 呆れてその場で振られたって文句は言えない。 むしろ、「サイテー!」とひっぱたいてくれてもいいくらいだった。 その方がきっぱり諦めもつくかも知れない。 伏せた視界の端で祈里が深呼吸しているのが見えた。 「………いつ?」 「…えっ?」 思わず顔を上げる。 静かに凪いだ表情の祈里が見つめていた。 「イブに行けばいい…?何時頃?」 「……は…8時、くらい。その頃にはママも出掛けてるから…」 「分かった。じゃ、うちのお母さんにも美希ちゃんちに泊まるって 言っておくね…」 「………うん…」 じゃ、イブにね。 そう言って祈里は踵を返すと茫然と佇む美希を残して、急ぐでもなく 立ち去って行った。 「…え?……嘘でしょ…?」 もしかして、オーケーなの…? 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クリスマスパーティーの夜。4人でラブの家にお泊まりして、楽しい夜を過ごす―――はずだった。 「なんだか…さっきからお腹が痛くて…」 パーティーも佳境に入った頃、急にブッキーが腹痛を訴え出した。 「ブッキー大丈夫?」 「すごく痛そう…」 「お母さんに何か薬もらってこようか?」 ブッキーを心配して、皆が口々に声をかける。 「平気…冬になったらよくあるの。おうちにある置き薬を飲んで、暖かくして寝てれば明日には治るから。タイミング悪くてごめんなさい…」 時折波のように襲い掛かる痛みを堪えながら、ブッキーが謝る。 そんな彼女を見るに見かねたのか、アカルンでブッキーを送って来ていい?とせつなが言い出した。 「それもそうね。外は寒くて暗いし、第一、お腹が痛いんじゃ、歩けないし」 アタシが賛成し、ラブも、うんうんそうしなよ、と続ける。 ブッキーは、せつなちゃんに悪いよ、と何度も断ったのだが、せつなは断固として聴き入れない。 ようやくブッキーが折れる形になり、家まで送ってもらうことになった。 「みんなごめんなさい、またね、ありがとう…」 ブッキーは弱々しく微笑い、せつなに抱えられるようにして、赤い光に包まれ帰っていった。 しばらくはタルトやシフォンを交えて、おしゃべりに花を咲かせながらせつなを待っていた。 けれど、眠くなったシフォンとタルトがせつなの部屋で就寝した後も、せつなは戻って来なかった。 「ちょっと遅すぎない?」 「そうだよね、せつなに電話してみる」 ラブがリンクルンを取り出した時、短いメロディーが鳴り、メールが来たことを告げた。 「せつなからだ。『ブッキーの御両親が明日まで不在で、一人にしておけないから泊まります』…だって。せつならしいや」 メールを見て安心したのだろう、ラブはアタシを見て笑顔になった。 ドキン ラブの笑顔を見て、急に胸が音を立てた。 アタシ…この笑顔に弱いのよね。 そういえば、ふたりっきりになっちゃったんだ。普段はせつなやブッキーがいるから、意識せずラブに自然に接することが出来るけれど、ふたりっきりって実はあんまり経験ないのよね…。 そう意識し始めると、さっきまでは普通に打っていたはずの心臓が、どんどん速度を速めてく。 「どうしたの美希たん、顔赤いよ?」 「だ、暖房効かせすぎかな~ハハ」 駄目だ。声が上擦ってしまう。美希のバカ!これじゃ、アタシがラブを意識していることがバレバレじゃないの! 「そうだ、お風呂入ろうよ」 突然のラブの爆弾発言。 「お風呂!?」 ……ゴクリ。やだ、生唾って本当に出るんだ。 「ら、ラブが先に入りなさいよ」 心にもないことを言うアタシに、ラブが唇を尖らせる。 「え~~!?折角お泊まりなんだし、一緒に入ろうよ~」 「し、仕方ないわね…」 うっしゃあっ!テーブルの下で小さくガッツポーズをしたのは言うまでもなく。 ラブの家の脱衣所、懐かしい。泥んこ遊びした後、よくあゆみさんに入れてもらったっけ…。 感慨にふけっているアタシをよそ目に、ラブはさっさと衣服を脱いでゆく。 「美希たん遅いぞ!先入っとくよ~」 ガラガラガラ。 引き戸を引き、ラブが浴室内へ。しまったー。感慨にふけってたばっかりに、ラブの裸体見逃した。じっくり拝む又とないチャンスだったのに…。 だけど、キュッと引き締まった桃尻だけは、確かにこの目に焼き付けたわ! 「♪♪♪~♪~美希ぃ、まだぁ~?」 鼻歌を歌いながら、ラブがアタシを呼び捨てる。 無意識なんだろうけど、あれにもアタシ、弱いのよね…。 「待ってて、今脱いでるから…」 きゃあ!何このセリフ!まるで恋人同士が一緒にお風呂する時みたいじゃないの! 「お…お邪魔します…」 身体の前に隠すようにタオルを垂らして浴室に入ってゆくと、ラブは湯舟に浸かり、前のめりになって浴槽にもたれていた。 !!! ち…ち…乳房が…浴槽に乗っかってる…?。 「どしたの?」 「ラブ…アンタ…胸、おっきくなってない?」 「あー、これ~?気づいた?最近なんか重いと思ったらさ~こんなになっちゃってた」 ラブが両手で胸を持ち上げ、ユサユサと揺らして見せた。ラブの胸の動きに合わせて、ぱしゃぱしゃと湯が波立った。 「にゃは~」 照れ臭そうに笑うラブ。か…可愛い。 ラブを見つめるアタシの鼻の下は自然と伸びて、なんだかタラーっと温かい液体の感触が…。 「美希たん!は…鼻血が」 ウッソー!やだアタシったら…。これじゃ、ただの変態じゃないの! 「大丈夫?」 「平気平気!ちょっと湯あたりしちゃっただけよ…」 「ヘンな美希たん!まだお湯には浸かってないじゃん」 「そ、そうとも言うわね」 アタシは知らんぷりして脱衣所に戻り、大急ぎでティッシュを鼻に詰めると、改めて浴室に入り、かけ湯をして湯舟に入る。 ザザ…ザザン お湯がこぼれ落ち、浴槽の中でアタシとラブは向かい合う。 「美希たんはあんまり成長してないね」 「うっさいわね!ほっといてよ」 どーせアタシはブッキーやラブに比べたらペッタンコですよ…。せつなもラブ以上にはありそう。クローバー貧乳コンテストがあったなら、間違いなくアタシが優勝するわね。 …だけど、ホントにおっきいわ、ラブのおっぱい。 見ないようにしていても、つい視線がそちらに向いてしまう。 ふっくらとハリのある丸みを帯びた部分。将来は赤ちゃんのためのお乳を出す器官。 授乳する母と子はとても神聖に見えるのに、ラブのおっぱいを見てると、どうしてこんなにいやらしい気持ちになるのかな…。 要するに、アタシがいやらしい目で見てるからなんだけど。 ちら。ちら。お湯に透けるラブのピンク色の乳首―――ちょっとだけさわってみたい。 そんなアタシの心をラブは読めるのだろうか。それともアタシの感情が顔に出てるんだろうか。ニマニマ笑ってラブが言った。 「さわりたい?」 「うんさわりたい…って、ええええっ!?」 「いいよ、美希たんなら」 アタシならいいって、どういう意味?ドキドキする…。アタシ、勘違いしちゃうよ。 「いいって言うけど、そんな簡単にさわらせていいの?」 「だってさわりたいんでしょ?……それに、あたしも…美希にさわって欲しいし」 上目使いで、恥ずかしそうにラブがこっちを見る。 アタシは小悪魔ラブの誘惑に…負けた。 「ラブのお願いなら、聞いてあげなきゃね。―――ここらへん?」 一番尖ってる先っちょをツンツン、と指でつつく。 「はあっ…」 悩ましげな声を出すラブ。もっと聞きたくて、アタシは親指と人差し指で摘んでみる。 ふにふに… 柔らかかった先っちょがだんだん硬くなってくる。喘ぎながら唇が半開きになり、陶酔したような顔のラブ。 やだ、何だろう。この気持ち。 もっともっと、ラブを喜ばせたい。もっともっと、ラブに触れたい。 アタシはラブの後ろに周り込み、後ろからラブを抱え込むように座り直した。 「もっとさわっても…いいでしょ?」 言いながら、すでにアタシの両手はラブの胸をさわさわと揉みはじめていた。 「あっ…んんっ…ふぁ…み、きぃ…」 ちょうどいい大きさに成長した乳房を掌で優しく揉みほぐしながら、指で突起を摘みこね回す。 アタシが刺激する度にラブが甘い声で応えるから、刺激はどんどんエスカレートする。 左手はそのままに、右手をそろそろと下ろす。ラブの薄い茂みの中は、お湯の中でもわかるくらい、熱いぬめりで満ちていた。 「ラブ…胸だけでこんなに濡らしちゃって…どうして?」 「だ…って…あっ…美希に…ふぅっ…ずっと前から、こう…されたかっ…たんだも…んっ」 息も絶え絶えに言いながら、ラブが振り向き口づけてきた。 ラブもアタシを想ってくれてた…!アタシは嬉しくてたまらなくなり、めちゃくちゃにキスをする。舌を入れて舐めまわし、ラブの舌を強く吸った。 口づけの間にも、指で茂みを探索する。敏感なトコを探り当て、くりくりと左右に揺すってみる。 「あああんっ」 びっくりするくらいの大声を出すラブに、アタシは思わず左手で口を塞ぐ。 「シッ、あゆみさん達に聞かれちゃうわよ。声出しちゃダメ」 ラブはうんうんと頷く。瞳には涙をたくさん溜めている。アタシの腕の中で乱れているラブが、とても愛しい。 静かになったラブの秘裂を、再び弄る。 指の腹を使い、淫核を優しく押し潰すと、ラブが声を出さずに吐息だけをもらした。 少しずつ吐息が早くなっていく。ラブが感じてるのを見ながらアタシも感じていく。硬くなった乳首が、ラブの背中に当たり、自然と擦りつける格好になっている。 きっとアタシの大事な部分も、ラブのように熱くなって今にも蕩けそうになっているだろう。 「――――っ!」 パシャッと湯が跳ねる。突然ラブが脚をピン!と伸ばしたのだ。そのまま脚が細かく震える。イッてしまったのだ。 ラブが果てた後も、彼女の脚の間からは愛液がとどまることなく溢れ出していく。 「はあっ…はあっ…」 ぐったりとアタシにしな垂れかかるラブの首すじや耳たぶに口づけながら、アタシは言った。 「すっごく可愛いかったわよラブ…」 「あたし…嬉しかった。美希とこうなれるなんて、夢みたい。けど…あたしだけ気持ち良くなってごめん。今度はあたしが美希に…してあげたいな」 振り向きながら恥ずかしそうに微笑むラブ。 「ありがとう…じゃ、続きはラブの部屋でじっくりと…ね?」 狭い湯舟の中での口づけ。最高。ああ…頭がぼーっとする。本当に湯あたりしそうだわ…。 「美希たん!反対側からも鼻血が!」 了 み-9はブキせつsideとなります。
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しばらく歩いていると、冬枯れの草に覆われた原っぱが現れた。 そこには人影と何やら動く物が見え、そして声が聞こえてくる。 「よし、ラッキー。つぎはエンジェル・キャッチだ!」 「ワン!ワン!」 「あれは、タケシ君・・・。」 「ラッキーちゃんも技が上達しているみたいね。」 「どうしよう、あたしタケシ君の分のチョコを作ってないよ。」 「アタシもよ。ていうか、あまり付き合いなかったからね。」 今、何もあげないでタケシ君に会う事は出来る。 でも私たちの持っているチョコを見れば、きっと悲しい思いをさせてしまうだろう。 かといって、美希やブッキーが心を込めた手作りのチョコはあげられない。 一体どうしたら・・・そうだわ! 「ここは私にまかせて。ブッキー、ちょっと来て。」 「えっ、何?せつなちゃん。」 ラブと美希を待たせ、私はブッキーと打ち合わせする。 数分後再び合流し、タケシ君のもとへ向かった。 「タケシくーん、こんにちはー!」 「あっ、おねえちゃんたちだー。こんにちは!」 「ラッキーも元気みたいね。」 「うん!またつぎのたいかいがあるから、れんしゅうしてるんだよ。」 「そうなんだ。ねえ、タケシ君。」 「なに?せつなおねえちゃん。」 「今日はね、バレンタインデーなのよ。知ってる?」 「うん。チョコがもらえるひだよね。ぼく、ママからもらっただけだよ。」 「私と祈里お姉ちゃんからプレゼントがあるんだけど、もらってくれる?」 「えっ?いいの?」 私とブッキーはそれぞれ紙袋からチョコの箱を取り出す。 それは昨日、駄菓子屋のおばあさんからもらったベリー・パッション味のチョコだった。 「タケシ君。はい、どうぞ。」 「わー、ありがとう!いのりおねえちゃん。」 「そこにメッセージが書いてあるから読んでみて。」 「うん。じゃあ、よむよ。」 ――タケシくんへ れんしゅうがんばってるね。 ラッキーのことはウチのびょういんで めんどうみてあげるから これからもよろしくね。 いのり 「ありがとう、がんばってたいかいにゆうしょうするよ!」 「うん、わたしも応援してるから。きっと勝てるって信じてる!」 「タケシ君、これは私から。祈里お姉ちゃんのと同じものだけど。」 「せつなおねえちゃんもありがとう。なんてかいてあるかな?」 ――タケシくんへ あなたとおともだちになれて たのしかったわ。 さよならしなくちゃいけないけど またいつかあおうね。 せつな 「せつなおねえちゃん。ぼく、なかないよ。おとこのこだもん!」 「えらいわ、タケシ君。きっと帰って来るからね。」 「それじゃ、タケシ君さようなら。また遊びましょう。」 「うん、バイバイ。おねえちゃんたち。」 タケシ君と別れ、私たちもここで解散することにした。 美希とブッキーは、これからデートらしい。 楽しんできてとエールを送ると、あなたたちもね、と返された。 昼過ぎに帰宅し、ラブと二人でお昼ごはんを食べた。 その後、家族みんなでオリンピックというスポーツの大会のテレビ中継に興奮して、おやつどきを迎えた。 「私、お茶をいれてくるわ。」 「じゃあ、あたしはお菓子を持ってこよっと!」 全員分のお茶を用意し、テーブルへ運ぶ。 ラブは美希とブッキーからもらったチョコレートを持ってきた。 それに加えて例のベリー・パッション味のチョコの箱が見えた。 「あれ?ラブ、それって誰かにあげたんじゃないの?」 「うん。あげたよ。あげたけど、今さげてきたんだ。」 変なの?と思いつつ、その箱を手に取る。 裏面のメッセージ欄に目を移すと、私は思わず言葉を失った。 ――おじいちゃんへ ねえ、おじいちゃん。 あたし、この1年で愛と幸せについて たくさん学んだよ。 おじいちゃんの願いでもある、 幸せを与えられる人になれるように頑張るから。 これからも、あたしたちを見守っていてね。 ラブ 「ラブ・・・あなたって子は・・・。」 「やだなあ、せつな。ほら、早くお茶にしようよ。」 家族とのティータイムで、ラブがおじいさんにあげたチョコの話をした。 おかあさんは、それは「お供え」という習慣よ、と教えてくれた。 おとうさんは、バレンタインデーの本来の意味を話してくれた。 遠い昔の外国の祝日、またその日に合わせて1人の聖職者が処刑された、それが2月14日だと。 でも今では世界中で、恋人たちの誓いの日として定着していることも。 おしゃべりの続きはラブの部屋でしよう、とタルトたちも連れ込んだ。 「ねえ、タルト。スウィーツ王国にはバレンタインデーは無いんでしょ?」 「そんなん無いに決まってますやろ。」 「えー、でもタルトさま。こないなオモロイ風習、国王さまに掛け合ってスウィーツ王国でも取り入れたらどないどすえ?」 「キャッキャッ、プリプー!」 「せ、せやな。王国に帰ったらオトンに相談してみるわ。」 「せつな、ラビリンスにもバレンタインデー作るの?」 「そうね、こちらの世界の良いところは積極的に採用するつもりよ。」 「わはー、じゃあこれからもずっとバレンタインデーが楽しめるんだね。ラビリンスのみんなも幸せゲットだよ!」 「まあ、ラブったら。フフフ・・・。」 ラブ、楽しい1日をありがとう。 来年からも、この日にはチョコを贈るからね。 ~おわり~ 競-573はスピンオフ作品となります。
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美希ちゃんは、私のあこがれだった。 テンポが遅い私は、小さい頃男子によくからかわれ、 その度に、ラブちゃんと美希ちゃんがかばってくれた。 クラスでも一番の美人、しかもスポーツも万能な 美希ちゃんが一喝すると、男子はおとなしくなった。 美希ちゃんは、たまたま商店街に来ていた プロダクションの人に目をつけられ、雑誌に載ったら たちまち人気となり、モデルさんとして活躍を始めた。 私は応援する反面、美希ちゃんが遠くに行った ような感じがして、寂しかった。 美希ちゃんは今まで通り四つ葉町にいて、携帯も メールも知ってるし、呼んだらすぐに会えるのに。 その頃から、私は自分の気持ちの変化に気づいた。 ひとりの女の子として、美希ちゃんが好きだってこと。 美希ちゃんが私に笑いかけるたびに、 私の心はとても幸せになり、 美希ちゃんのフレグランスが香るたびに、 私の胸はドキドキと高鳴っていた。 でも、美希ちゃんは完璧なモデルさん。 芸能界に入って、かっこいい男の人と恋愛して どんどん磨かれていく人。 私なんかが想っていても、 邪魔なだけ。 それでも、ひょっとしたらって思ってた。 私が想い続ければ、その想いに 応えてくれるんじゃないかって。 みんなで誕生会したとき、私へのプレゼントに 美希ちゃんが選んでくれたハンカチ。 美希ちゃんがアロマに凝り出した頃、 私をイメージして作ってくれたフレグランス。 今でも使っている。 美希ちゃんがそばに居てくれる気がして。 さっき、学校の帰りに寄った占いコーナーで出た 「近く、すばらしい進展があります」という結果は 信憑性はともかく、何か嬉しかった。 美希ちゃんとも、進展するといいな。 「山吹さん」 後ろから声をかけられた。 御子柴君だった。 遊園地にみんなで行ってから、 ほとんど会っていなかった。 「今、帰りですか」 「うん、ちょっと寄り道しちゃった」 「先日はすみません。僕、何だか格好悪くて」 「ううん、人には苦手なものがあるし。 私こそ、苦手なものに付き合わせてごめんね」 「そうですか...よかった」 「私だって、動物病院の娘なのに、フェレットが苦手だったの」 「えっ?そうなんですか?」 「ふふっ、意外でしょ」 たわいもない会話が続く。 「あっ...」 私は、今日発売の雑誌を 買っていないことに気づいた。 「私、本屋さんに行かなきゃ。 こっちに曲がるから。バイバイ」 「はい。さようなら」 御子柴君と別れて、本屋さんで雑誌を買う。 ついでに色々立ち読みしていたので、 時間が経ってしまった。 家に帰る途中、公園のベンチに座る 美希ちゃんを見かけた。 考え事しているみたい。 私が近づいても、全然気づかない。 ふわっと、いい香りがする。 横に座り、美希ちゃんの横顔を眺める。 ようやく、美希ちゃんが私に気づいたみたい。 「どうしたの?美希ちゃん」 「ううん、ちょっと考え事していただけ。 ブッキーこそ、どうしたの?」 「恋占いしてもらった帰りなの」 「そう...で、どうだった?」 「近く、素晴らしい進展があります、って...」 「あの男の子と?」 「えっ...?」 「さっき一緒にいた男の子よ。 いいじゃない、お似合いで」 違うよ、全然違う。 「やっぱり恋愛は男女ですべきよ。 男同士とか女同士とか、おかしいわ。 それに、あの子優しそうじゃない。 祈里とはお似合いだと思うな。 付き合っちゃいなよ」 心に、穴があいた気がした。 私が美希ちゃんを想っていることは、 美希ちゃんに伝わってはいたみたい。 「やっぱり、そう思ってたんだ...」 失望が、口から出る。 「私は...ずっと...」 視界がにじむ。 あふれてくる寂しさを、抑えられない。 この場に居られず、走って公園を出た。 ずっと、 ずっと、 好きだった。 でも、美希ちゃんの答えは、 拒絶。 女同士なんて、あり得ない。 通りに出ても、涙が止まらなかった。 涙を拭くために取り出したハンカチ。 美希ちゃんがくれたハンカチ。 拭けば拭くほど、涙があふれる。 商店街のベンチで座り込む。 人が走ってくる音がした。 「ブッキー!どうしたの?」 肩を激しく揺すられる。 顔を上げると、ラブちゃんが 心配そうな顔で覗き込んでいた。 「ラブちゃん...私...」 ハンカチを見つめる。 また涙が出てきた。 「ブッキー、そのハンカチ...」 ラブちゃんの前でみっともないけど、 しばらく声を上げて泣いた。 家まで、ラブちゃんが送ってくれた。 泣くばかりで何も言えない私に、 ラブちゃんは何も聞かず、 黙って背中をさすってくれた。 握りしめたハンカチは、涙を拭く場所が 無いほど濡れてしまった。 夕ご飯も食べず、部屋にこもる。 机の上の写真。 ダンスレッスンの時に、3人で撮った。 めずらしく美希ちゃんの横に私が居る。 嬉しくて、ちょっと美希ちゃんに寄ったので 3人というより、2人と1人みたいな写り方。 写真立てを、パタンと倒した。 こういうときは、思いっきり泣いた方がいい。 雑誌にもよく書いてあるよね。 失恋したときの忘れ方。 アルバムを見ながら、 色々と思い出しては泣き、 明け方になって泣き疲れた頃、 ようやく眠った。 起きると、昼過ぎだった。 鏡を見ると、泣きはらした ひどい顔の私が居た。 外は霧雨が降っている。 心の中で、踏ん切りが付いた。 もう、あきらめよう。 美希ちゃんは、普通の幼なじみ。 何もなかったように、過ごそう。 ただ、美希ちゃんにはちゃんと伝えないと。 女の子に好かれて、迷惑だったろうから。 重い足取りで、家を出る。 霧雨が風景を霞ませている。 傘を差していても、雨が舞い込む。 商店街のひとつ手前の路地。 美希ちゃんの家の裏口が見える。 足取りはいっそう重くなる。 傘もささず、走ってくる人影があった。 私の前で止まる。 美希ちゃん...? でも、ちょうど良かった。 ここで気持ちを伝えて、帰ろう。 それで、今まで通りの、幼なじみ。 「美希ちゃん...ごめんね、今まで。 迷惑だったでしょ。 ずっと美希ちゃんのこと見ていたけど、 もう...あきらめるから、安心して。」 吹っ切ったつもりだったのに。 いざ美希ちゃんを目の前にすると、 枯れたと思っていた涙があふれる。 「今まで、好きでいさせてくれて...ありがとう」 ほとんど言葉になっていない。 来た道を、走って戻る。 後ろから、抱きすくめられた。 傘が、落ちた。 「行かないで、祈里!」 祈里と呼ばれて、体が硬直した。 「きのう言ったの、全部嘘! あの子とつきあって欲しくない!」 えっ... 「アタシ...祈里が好き...!」 頭が、混乱する。 美希ちゃんは、女同士って あり得ないって言ってた。 でも、私のこと好きって...。 同情? 私が、かわいそうだから? でも、美希ちゃん、 泣いてる...。 振り返る。 私を見つめている美希ちゃんの顔は、 いつも見るお姉さんじゃなくて、 ひとりの普通の女の子。 「祈里を、離したくない...!」 泣きながら、私を見つめている。 嘘じゃない。 同情なんかじゃない。 美希ちゃん、本気で私のこと...。 感情が、抑えきれない。 美希ちゃん。 私、もう我慢しなくていいんだよね。 美希ちゃん。 私、美希ちゃんを好きでいていいんだよね。 美希ちゃん。 美希ちゃん。 涙で、美希ちゃんの顔がかすんでいる。 抑えようとしても、嗚咽の声が漏れる。 私の頭を、美希ちゃんがしっかりと 胸に抱いてくれた。 私は、声を上げて泣いた。 美希ちゃんの涙が、私のほおに落ちる。 暖かい、しずく。 心が震えるような感覚が治まり、 顔をあげると、私と同じくらい 泣きはらした顔の美希ちゃんと 目があった。 霧雨の感覚が、急に感じられた。 「風邪...ひいちゃうよ」 美希ちゃんの家で、シャワーを借りる。 暖かいシャワーを浴びていると、 何か不思議な気持ちになる。 家を出るときはあんなに重く つらい気持ちだったのに、 今はとても安らいだ気持ちと、 これからのドキドキが混じった、 何とも言えない気持ち。 私の服を乾燥機にかけている間、 美希ちゃんの服を借りる。 私には大きいので、シャツだけ着る。 美希ちゃんがシャワーを浴び終えて、 部屋に入ってきた。 バスタオル一枚の姿を見て、 私は思わず下を向いた。 部屋にいい香りが拡がる。 甘く、心を落ち着かせる香り。 かすかにひそむ情熱的な香り。 「とってもいい香り...」 「大切な人と過ごすために、買っておいたの」 それって...私? 顔をあげると、美希ちゃんと目があった。 私だけを見てくれる、優しい瞳。 美希ちゃん... 自然に、目を閉じた。 唇が重なる。 心が、素直になる。 体が、素直になる。 ゆっくりと、ベッドに倒れ込んだ。 重なる肌。 ひとつになる吐息。 美希ちゃんで 満たされていく。 甘い香り。 幸せな時間。 何度も、昇りつめる。 ... 美希ちゃんでいっぱいになった私は、 訪れた眠気に、素直に身を任せた。 意識が戻ってきた。 急に、夢だったんじゃないかと 不安になる。 唇が触れる感触があり、目を開けた。 すぐ近くに、美希ちゃんの顔があった。 「ごめん、起こしちゃった?」 美希ちゃんがささやく。 夢じゃ、ない。 「ううん、こんな起こし方なら大歓迎」 今度は私から口づける。 私のおでこに、美希ちゃんのおでこが触れる。 「あらためて、これからもよろしくね、祈里」 「こちらこそ。美希ちゃん」 想い続けていて、良かった。 私が想っているのと同じくらい、 美希ちゃんも想ってくれたら、嬉しいな。 物語は3-610へ
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ブレイザーの長 ラスボス。 すべてを燃やし尽くす存在。 オーブン王国のある暴走によって生み出された存在。 と、当初は思われていたが、オーブン王国は妖精たちの熱と炎にまつわるエネルギーを管理する国家である。 だが、妖精たちはプリキュアに庇護され、多くの脅威をはねのけてきたことから大きく繁栄し、彼らの起こす熱と光だけではまかなえなくなった。 そのため、オーブン王国の宮廷魔術師が、掌程度の大きさで山脈すべての薪を燃やすより大きな熱と光を生む力を作り出す。 だが、その炎はあまりにも大きすぎて、すべてのいけとし生きるものを焼き尽くす勢いになった。 オーブン王国はその炎にまかれて滅亡、炎は他の妖精の国をつぎつぎと飲み込み始めたのである。 大きさは計り知れないはず。ただし、プリキュアと殴りあうときは大柄な人間並。 殴りつけたりすることは不可能ではない。 姿は黒い炎のようなものに包まれている感じ。近い姿はカプコンの格闘ゲーム「ヴァンパイア」シリーズのパイロン。 とにかく、プリキュアがプリキュア理論で超ブーストしないと倒せない相手。 他の設定で4人技でなければ、という記述があったが、あの技自体がその超ブーストに裏づけされたものである。 最後はディベロップメントブレッシングで、人々の希望の炎に生まれ変わることになる。例えば五輪の聖火とか。 イメージとしては、核分裂とか核融合で生み出されるような、莫大なエネルギーの存在。 いわば、その場に存在する恒星のようなもの。 あるいはむき出しの原子炉。つまり存在するだけで人々を滅ぼすようなもの。 おくうとは関係ない。
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「あら、ラブちゃんいらっしゃい。」 「こんにちはぁ。せつな、来てませんか?」 祈里のお母さんに挨拶して奥に通してもらう。 小さい頃から何度も通った部屋。もう、おばさんもいちいち案内したりしない。 声だけ掛けて、適当に上がり、帰っていく。半分自分の家みたいなものだった。 でも、こんなに緊張して部屋へ続く階段を登ったのは初めてだ。 何となく、足音を忍ばせるようにゆっくりゆっくり登る。 おばさんはせつなは来ていない、と言った。祈里は帰ってから勉強すると言って 部屋に籠っているそうだ。 集中したいから部屋には誰も来ないで、と言ってるらしい。 「ラブちゃんなら構わないでしょ。あまり根を詰めないように言ってやって。」 このところ、ずっとそうなの。笑って言うおばさんにあたしは複雑な気分になる。 せつなは部屋にいる。アカルンがあれば誰にも見られず出入り するなんて簡単。 たぶん、今までずっとそうして来たんだろう。 覚悟を決めて来たはずなのに、すくみそうになる。 祈里と、話をつける。もしせつながその場にいるなら、引き摺ってでも 連れて帰る。 考えて考えて、そう決心してきた。 (……怖いよ…。) 祈里の部屋が見える。ドアが、ほんの少し開いたままになってる。 それを見た途端、すぅっと体が冷える。その意味が分かってしまったから。 あたしも、いつもそうしてる。 せつなと愛し合う時、夜はしっかりドアを閉める。中の声が漏れないように。 でも、明るいうちは、わざと少し開けておく。閉め切ってしまうと 却って外の気配が分からないから。 少し開けておけば、外の音が聞こえる。階段を登って来る音が聞こえるから。 そっと、足音を忍ばせて近づかない限り。今のあたしみたいに。 「……ふふっ…、うふふ……せつなちゃん、とても上手。」 少し、湿り気を含んだ祈里の声。間違っても、勉強してて出る声じゃない。 「…んんっ……すごく、気持ちいい…」 (…イヤ、見たくない…) それなのに、目は意志に逆らいドアの隙間に吸い寄せられる。 祈里は制服のまま、勉強机の椅子に片膝を立て足を開いて座っている。 そして、その足の間に跪いて、頭を埋めているせつなが見える。 ピチャ、ピチャと微かに濡れた音が聞こえる。 せつなは背中しか見えない。でもシャツの前を全開にされているのが分かる。 舌が凍りつき、喉が乾上がる。棒立ちになったまま動けない。 「…ねぇ、いつも…ラブちゃんにも、してるの?だから、こんなに上手なの?」 祈里はせつなの髪に指を絡めながら、からかうように問う。 せつなは答えない。祈里は焦れたように、少し前屈みになり せつなの前に手を伸ばす。 ピクン、とせつなの背中が震える。胸を、触られたのだろう。 「クスクスクス……答えてよ、せつなちゃん?」 どうやって外に出たのか覚えてない。 ラブはふらふらと危なっかしい足取りであてどもなく歩く。 何を見ても逃げない。せつなを取り戻す。そう決心してきたはずだった。 でもそんなものは現実の光景の前には何の役にも立たず、 呆気なく砕け散ってしまった。心と共に。 (……なんか、もう…いいや……) 自分が怒ってるのか、哀しんでるのか、それともその両方なのか。 それすら、どうでもいい気がした。すべてが虚ろでふわふわと雲の上を 歩いてるみたいだ。 昨日までの焼けつき、身を捩るような焦燥感さえ、どこか遠くへ行ってしまった。 自分の体の現実感さえあやしい。 「ラブ?!」 聞き慣れた声。でも、誰だっけ……? 「ちょっと!どうしたのよ。大丈夫?」 「……美希たん………」 余程、酷い様子だったのだろう。美希は有無を言わさずあたしの手を引いて 自分の家に連れてきた。 ぼんやりと部屋で座っていると、美希が紅茶を持ってきてくれた。 (……甘い。) 濃くて、甘いミルクティ。ゆっくり口に含むと、空っぽになったと 思ってた心に、じんわりと温かさが広がってゆく。 「美味しい……。」 素直にそう口にする。 良かった。そう、美希が優しく微笑む。 そして、それと同時にさっきの光景がフラッシュバックする。 様々な感情が津波のように一気に押し寄せ気を失いそうになる。 美希は躊躇いがちに口を開く。 「…ねぇ、せつなと、何かあったの?それに、ブッキーとも。」 止めて、今その名前は聞きたくない。 そんな思いにも構わず、美希は言葉を続ける。 「こんなコト言いたくないけどさ、アナタ達この頃おかしいわよ。」 ヤメテ、お願い! 「やだ、ラブ!!ゴメン、どうしたの?」 膝を抱え、その間に頭を埋めてしまったあたしを見て、美希がオロオロと 背中を撫でる。 「ゴメンっ!ラブ。アタシ、無神経だったかも!……でも、心配してたのよ? アナタ達、何も相談してくれないしさ……」 背中から美希の温もりが伝わる。 膝の間から顔を上げると心から心配してくれてる美希の顔。 美希はいつも優しい。口ではつっけんどんな言い方をしても、 心底から人を突き放せない。 クールな見た目と裏腹に、実はすごく情に脆くて世話焼きなのを知ってる。 女らしくて素敵な美希。いつも爽やかないい匂い。 ……アロマの香りに頭がクラクラする。 「…美希たん、あたしのこと…好き?」 「もちろんよ!当たり前でしょ?だって親ゆ……んんっ!んぅ!」 だって、親友なんだから… そう続くはずだった美希の言葉はラブの唇に塞がれてしまった。 ラブは美希を抱きすくめ、唇を噛み付く勢いで貪る。 制服の裾から手を突っ込み、薄い乳房を揉みしだく。 唇も胸も匂いも…せつなとは、全然違う感触。同じ女の子なのに……。 (もう……どうでもいいや……) 美希……助けてよ………。 3-524へ続く
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本をがむしゃらに読んだ成果か。最近はシフォンがよく懐いてきてくれるようになった。 「キュアー、みきぃ」 「おいでシフォン」 優しく腕にくるんであげるとシフォンは嬉しそうに声をあげた。感情を素直に出すシフォン。 「せつなとは正反対かも」 「あたしがなに?」 「パパだよー、シフォン」 「せちゅなー」 「変なこと教えないで」 せつなはむにーとあたしの頬っぺたをひっぱった。モデルは顔大事なのに。 「美希たんあたしも抱きしめてー」 ラブが後ろからじゃれついてきたので、引っぺがしてせつなにでも渡さそうかと思ったが、気が変わりシフォンを前に抱いたまま後ろに倒れ込んでラブを潰した。 ぐえっとか聞こえたが聞かなかったことにする。ラブのお腹ふにふにしてていい枕になりそう。 「昔は三人で一つのベッドに寝てたよねー。せつなとブッキーもおいでよ」 ラブは自然とそう口にしていた。 「二人とも、ラブを潰そうー」 ねんねーとはしゃぐシフォンを万が一の為に首元に持って来て体を開けた。ラブの寝息が聞こえてきたのには素でびっくり。 ブッキーがぴょんと枕の方に飛びのったらしい、せつなが状況を理解してなかったので手を引っ張ってあたしの上に頭がくるようにねかせた。 「これも地球の風習?」 「そんなものね」 シフォンがすぴーと寝だしたのであたしも目を閉じる。 昼寝などしそうにないせつながしょっちゅう体勢を変えるせいであたしが寝たのは結局最後だった。 せつなは最初の位置から随分上の方にズレていてつい笑ってしまった。 「ふつー無意識に胸の上で寝る?」 あたしの小言もベストポジションを見つけ深い眠りについたせつなには聞こえていないようだった。 ~side(S)~ 私が目を覚ますとラブとブッキーはすでに目を覚ましてベッドにはいなかった。 二人が楽しそうに話すのをみてすごくホッとした。 「おはよーせつな。お姫様は爆睡してるよ」 ラブが私の下にいる人物を見ながら言った。 気づくと私は美希の胸の上で眠っていたらしい。 恥ずかしくてがばぁっと起き上がった私を見てラブとブッキーはきょとんとしている。 まだ頬に残る感触が妙に生々しく心臓はしばらく落ち着いてくれなかった。 それにしても…… 随分シフォンと気持ちよさそうに寝ている。少し悪戯心がわいて耳に息を吹きこんでやろうと(ラブが私によくやる)顔を近づけると、美希がかすかに起きたみたいで 「んむぅ」 唇に柔らかい感触がする。零距離に美希の顔。しばらくして目を開けて私を確認した美希はびっくりして唇を離した。 「ご、ごめん」 「……」 私は口を押さえたまま何も言えなかった。ドキドキがとまらない。ラブが美希に文句を言っているが、わざとじゃないのがわかっているからか本気じゃない。 「美希たんのばかー」 「ごめんてば。寝ぼけてたの」 「サイテー、アホー」 ぎゃーぎゃー言うラブをおいて、美希が私にごめんねと謝った。かろうじて私は大丈夫と返事をした。 ラブたちからは死角で見えなかっただろうけど、あれは濃厚なものだった。舌を絡めとり吸い付く。息をする暇もないもの。 無意識であれができるって……私のかすかにできた疑問は舌に残る熱で隅に追いやられてしまった。 ~~~~~~~~ 暑い……。 季節は冬だけど、この部屋は暖房が効きすぎている。汗がいつもより流れる。 だめだ。喉渇いてきた。 「ねぇ、暑いよ」 「ん、美希の味がする」 変態。あたしをうつぶせにして背中を執拗になめてくる。ドラマが新しく決まったらしい彼女はいつもよりご機嫌だ。 「もういい?」 「私を置いてったくせに」 この間のことをまだ根にもってるらしい。体の向きをかえて手の平で彼女の豊満な胸を包み込む。 「ごめんね。ゆるして」 「私だけを見て」 欲望に濡れた瞳に笑顔を返す。 我慢限界…… あたしはぎゅーと彼女を抱きしめて水飲んでくるねと言ってシャツを羽織って立ち上がる。 ぐんっと手を引かれてあたしが離れたはずのベッドにまた逆戻り。 もー…… 「なに?」 「飲ませてあげる」 彼女は自分用にいつもベッド横の棚に置いているスパークリングウォーターに手を伸ばした。 あたしはぬるいのは嫌だからいつも冷蔵庫から取っている。 にこにこしている彼女の機嫌を損なわないよう、受け入れることにした。 彼女の唾液と共に炭酸水が入ってくる。少ない量でも人のタイミングで飲むのは難しい。 あたしの口元からこぼれたものを彼女の舌がすくう。 よほど喉が渇いていたらしい。あたしは夢中で彼女に舌を絡める。 ふと部屋がかすかに赤く光った気がした。 え…… せつな? ぶはっ 彼女は呆然と女性と絡み合うあたしを見ていた。せつながハッとしてまた部屋が赤い光に包まれる。 「んー、汚いなぁ何?てか今なんか光った?」 「ごめっ、はぁ、気のせいだよ」 あたしは炭酸が逆流してヒリヒリする鼻をつまみながら、誰もいない場所を見つめていた。 ~side(S)~ あれはなんだったんだろう―― 部屋にいるとばかり思っていたのでアカルンに美希の自宅ではなく、美希のところへと命令してしまった。 メールに入っていた昼間の件の真摯な謝罪文に、気にしないでと直接伝えに行こうとしただけなのに。 美希が綺麗な女性と絡み合っていた。この間美希と会った時サングラスをかけていた人だろう。 美希は私に気づくと複雑な顔をしていた。 リンクルンがメールを知らせる。開くとやはり美希からで、明日8時にあたしの部屋に来てもらえる?と入っていた。 返信せずに布団に潜る。 ラブにもこれは相談できない。やっぱりまずは美希と話さなければいけない。 いつもみんなのお姉さんでいた美希。彼女に闇があったのだろうか―― 今すぐじゃなく明日の朝。彼女は今もあの女性と寝ているのだろう。私は一晩中寝れなかった。 ~~~~~~~ 「おはよ、せつな」 「………」 あたしは一睡もしていないが頭はやけにさえている。 目の前のせつなを見ながら缶コーヒーを口に含む。苦味が口内に広がった。 「昨日は……突然ごめん」 「ほんと突然」 せつなは真っすぐあたしを見た。 「あれは……恋人さん」 「違うよ」 「じゃあ……」 「お金をもらってる」 せつなは目を見開く。 「でも別にお金欲しいわけじゃないし。あの人だけじゃなく……他にも何人かと関係もってる」 「なんで……」 せつなは理解できないといった顔をしている。たいした理由はない。遊びなのだ。日常を刺激するスパイス。 「セックス好きなのかも」 「美希……だめだよ。やめて。そんなことしないで」 せつなは泣きそうになっている。なんで泣くのよ。面倒くさい。 「じゃあせつなが相手してくれる?ラブに内緒で」 わざと笑顔で吐き捨てるとせつなはキッと睨んだがすぐ悲しそうな顔になった。 「いいよ。美希があんなことしなくなるなら私と寝る方が安全だし」 「何言ってんの。意味わかんない」 イライラする。ラブを裏切る気もないくせに。勝手なこと言わないで。 せつなが正しいのはわかってる。だが否定的に言われると反発してしまう。 逆切れぎみにせつなを睨むとぞっとするような冷たい目を向けられた。 「刺激が欲しいんでしょう?満たしてあげる。親友の彼女なんて最高じゃない?そのかわり次にその人たちと会うときは先に私を呼んで。私で満足できなければ会いに行けばいい」 「ラブを裏切るの?」 「私はラブが好き。でも美希も大事。だからそんなことしてほしくない……でもわざわざラブに知らせる気もない」 馬鹿正直じゃないのよ私。 せつなはそう言った。その眼差しは真剣だった。 あたしはせつなに皮肉な笑顔を見せると、受諾の意味で柔らかい唇にキスをした。 「とりあえず帰って。シャワー浴びたい。寝たい」 せつなはあたしの髪に顔を近づける。 「あの時の……美希じゃない匂いがする」 「今からせつなの匂いをつける?」 わざと挑発するようにせつなに顔を寄せると、早くシャワー浴びればとせつなは素っ気なく言った。 こんな顔もするのね。 あたしはなぜか帰らないせつなをほっといて浴室に向かった。 「おかえり」 「まだいるの」 何が目的かわからないがとにかく今は眠い。あたしは髪を乾かすとベッドに潜りこんだ。せつなはそれをみると隣に入ってくる。 「何?昨日激しかったから体力ないよ」 「そうじゃないわ」 せつなはあたしを包み込むように抱きしめると私の目的は美希を救うことだからと言った。 ほんとイライラする。 抵抗する気力もなかったのであたしはやけに温かい布団の中で眠りについた。 み-506へ
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140文字SS:スター☆トゥインクルプリキュア【1】(10話保管) 140文字SS:スター☆トゥインクルプリキュア【2】(10話保管) 140文字SS:スター☆トゥインクルプリキュア【3】(10話保管) 140文字SS:スター☆トゥインクルプリキュア【4】(10話保管) 140文字SS:スター☆トゥインクルプリキュア【5】(10話保管) 140文字SS:スター☆トゥインクルプリキュア【6】(10話保管) 140文字SS:スター☆トゥインクルプリキュア【7】