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バトプリD、大まかなストーリー&設定 ブルー(ハピネスチャージプリキュアより)の星(地球)において、プリキュアの大半が負けて劣勢に立たされているところから始まる。 つまり、はじめから荒廃しており、パッションはいなくてかわりにイースがいて、スカーレットがいなくてかわりにトワイライトがいます。 つまり、パッションやらが出るのが逆にイレギュラーなわけです。 ブルーはレッド(ハピネスチャージプリキュアより)からもらった『ミライクリスタル』で本来存在しない超新星プリキュア(スカーレット、パッション、アムール)を未来の世界から召喚し、覚醒のロック(大人ロック)を倒す。 ロックが消滅したことにより、本来ロックやレジェンダリーに倒される運命にあったプリキュアが復活し、温存されたアスパワワの力によって追加で新規プリキュアをつくり戦うことになる。 誰が復活で誰が新規誕生かは不明だが ソルシエールの言動とステージ選択文(初見くさいやつら)によると 復活&生き残り モブ 初代 スプラッシュスター 魔法プリ スカーレット以外のプリンセス ドキドキ フレッシュ ハートキャッチ 新規は ヒーリングっど スカーレット hug スイート パッション アラモード スカイハイ スマイル スタートゥインクル ハピネスチャージ デュオローグ であると思われる。 プリキュア側は新しいシリーズが始まるごとに新しいプリキュアが増えるわけだが、 それらはバトルプリキュアD内においては、「ブルーが生み出している」ことになっている。 だから、登場しているプリキュアはすべて本物である。 パルフェのセリフで「プロトタイプ」という発言があったり、 「超新星プリキュアがついにできた」的な発言や説明文(ステージセレクト)があるが、それはカッコいい感じに表現しただけで、プリキュア側は別にアンドロイドなどではなく、ただ新しい作品やキャラがでるたびに「誕生」と言っているだけであり、パルフェの場合は虹プリキュアの中で一番早く産まれただけである。 ブルーは『超新星プリキュア』という数名の強力なプリキュアを生み出してレジェンダリという敵の連合軍(本作主人公側)を押し返すわけだが、 レジェンダリにはトラウム(hugプリより)という科学者がおり、彼の研究によりプリキュアのコアというものを使えば、プリキュアと同じ力のコピーを作れる(ストーリーにはあまり書かれていないがこういう設定らしい)ようで、 それにより結局情勢はレジェンダリが有利になっている。 ちなみにゲーム内でガチャを引き手に入れたプリキュアは、上記の通りコピーであり本物ではない。 また、ルールーはもちろん、サミダレとラルカ、バッドエンドプリキュアはトラウムが作ったアンドロイドである。 サミダレは過去に存在した本物を参考にして作られたからか、レジェンダリ側では仮面がついたままである。 ちなみに、ソルシエール、レジーナ、イース、トワイライト、ジェントルー、レジーナ、ビブリーは同一のコアで自身を強化できるものの、本物でありアンドロイドではない。 プリキュア側のブルーは最終的に真覚者(最終形態プリキュア)を生み出すわけだが、策もなくプリキュアを作るだけでは数で勝るレジェンダリに勝てるはずもなく、 地球においてレジェンダリが覇権を握ることになる。 地球を失いかけたブルーの前にシュプリームが現れる。 シュプリームは戦いを求めて宇宙中を荒らしまわっていたが、 プリキュアを全滅させた組織がいることを知り地球までやってきたようだ。 シュプリームの登場により一時的に全プリキュアが強化された状態で復活(いわゆる難易度カオスがこれ) しかし、これもレジェンダリーによって全て倒される。 隠してブルーの星、地球はレジェンダリーに征服された。 バトプリDP+、大まかなストーリー&設定 大まかな流れ 1.ミライクリスタルを使って本来存在するはずのない超新星プリキュア(スカーレット)を未来より召喚しロックを倒す。 2.レジェンダリーの要になるはずだったロックの消滅により、本来全滅する運命だったプリキュアたちが全員復活する。 3.ブルーの手下プリキュアではない、野良キュア(初代.SS.魔法使い.YES)を倒し、魔力を奪いその魔力でバッドエンドプリキュアを作る。 4.1人目の超新星プリキュア、スカーレットを倒す。 5.ブルーが召喚した特殊な属性のプリキュア、音属性キュアを倒す。 6.2人目の超新星プリキュア、音のパッションを倒す。 7.ブルーが召喚した新型の属性のプリキュア、虹のパルフェ(プロトタイプつまり、出来たてほやほや)を倒す。 8.レジーナが裏切る。 9.3人目の超新星プリキュア、エースと裏切り者のレジーナを倒す。 10.ブルーが召喚した虹属性の完成系であるキュアコスモを倒す。(パルフェが負けるわけだにゃん) 11.ブルーの側近プリキュアである、キュアラブリーを倒す。 12.ブルーがスカイランドとグランオーシャンにヘルプを出したことによって、キュアスカイやキュアサマーが現れる。 13.ブルーは真覚者プリキュアを作るため、生き残った数人のプリキュアを時間のある限りパワーアップさせる。 14.トロピカルージュプリキュアを倒すが、コーラルとパパイアには逃げられる。 15.キュアスカイを倒す 16.最後の希望と思われていた超新星であり虹キュアであるフィナーレを倒す。(神よ、私は最後の希望ではなかったか、、、) 17.真覚者となったフローラ、グレース、コーラル、パパイアを倒す。 18.神ブルー、プリキュアを全滅させてしまったと嘆いていたところに、 シュプリームが登場。 19.地球の全てをシュプリームに捧げたことで、大地と全てのプリキュアが復活。 20.しかし願い叶わずレジェンダリーによってシュプリームもろとも再びプリキュアが倒される。
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本をがむしゃらに読んだ成果か。最近はシフォンがよく懐いてきてくれるようになった。 「キュアー、みきぃ」 「おいでシフォン」 優しく腕にくるんであげるとシフォンは嬉しそうに声をあげた。感情を素直に出すシフォン。 「せつなとは正反対かも」 「あたしがなに?」 「パパだよー、シフォン」 「せちゅなー」 「変なこと教えないで」 せつなはむにーとあたしの頬っぺたをひっぱった。モデルは顔大事なのに。 「美希たんあたしも抱きしめてー」 ラブが後ろからじゃれついてきたので、引っぺがしてせつなにでも渡さそうかと思ったが、気が変わりシフォンを前に抱いたまま後ろに倒れ込んでラブを潰した。 ぐえっとか聞こえたが聞かなかったことにする。ラブのお腹ふにふにしてていい枕になりそう。 「昔は三人で一つのベッドに寝てたよねー。せつなとブッキーもおいでよ」 ラブは自然とそう口にしていた。 「二人とも、ラブを潰そうー」 ねんねーとはしゃぐシフォンを万が一の為に首元に持って来て体を開けた。ラブの寝息が聞こえてきたのには素でびっくり。 ブッキーがぴょんと枕の方に飛びのったらしい、せつなが状況を理解してなかったので手を引っ張ってあたしの上に頭がくるようにねかせた。 「これも地球の風習?」 「そんなものね」 シフォンがすぴーと寝だしたのであたしも目を閉じる。 昼寝などしそうにないせつながしょっちゅう体勢を変えるせいであたしが寝たのは結局最後だった。 せつなは最初の位置から随分上の方にズレていてつい笑ってしまった。 「ふつー無意識に胸の上で寝る?」 あたしの小言もベストポジションを見つけ深い眠りについたせつなには聞こえていないようだった。 ~side(S)~ 私が目を覚ますとラブとブッキーはすでに目を覚ましてベッドにはいなかった。 二人が楽しそうに話すのをみてすごくホッとした。 「おはよーせつな。お姫様は爆睡してるよ」 ラブが私の下にいる人物を見ながら言った。 気づくと私は美希の胸の上で眠っていたらしい。 恥ずかしくてがばぁっと起き上がった私を見てラブとブッキーはきょとんとしている。 まだ頬に残る感触が妙に生々しく心臓はしばらく落ち着いてくれなかった。 それにしても…… 随分シフォンと気持ちよさそうに寝ている。少し悪戯心がわいて耳に息を吹きこんでやろうと(ラブが私によくやる)顔を近づけると、美希がかすかに起きたみたいで 「んむぅ」 唇に柔らかい感触がする。零距離に美希の顔。しばらくして目を開けて私を確認した美希はびっくりして唇を離した。 「ご、ごめん」 「……」 私は口を押さえたまま何も言えなかった。ドキドキがとまらない。ラブが美希に文句を言っているが、わざとじゃないのがわかっているからか本気じゃない。 「美希たんのばかー」 「ごめんてば。寝ぼけてたの」 「サイテー、アホー」 ぎゃーぎゃー言うラブをおいて、美希が私にごめんねと謝った。かろうじて私は大丈夫と返事をした。 ラブたちからは死角で見えなかっただろうけど、あれは濃厚なものだった。舌を絡めとり吸い付く。息をする暇もないもの。 無意識であれができるって……私のかすかにできた疑問は舌に残る熱で隅に追いやられてしまった。 ~~~~~~~~ 暑い……。 季節は冬だけど、この部屋は暖房が効きすぎている。汗がいつもより流れる。 だめだ。喉渇いてきた。 「ねぇ、暑いよ」 「ん、美希の味がする」 変態。あたしをうつぶせにして背中を執拗になめてくる。ドラマが新しく決まったらしい彼女はいつもよりご機嫌だ。 「もういい?」 「私を置いてったくせに」 この間のことをまだ根にもってるらしい。体の向きをかえて手の平で彼女の豊満な胸を包み込む。 「ごめんね。ゆるして」 「私だけを見て」 欲望に濡れた瞳に笑顔を返す。 我慢限界…… あたしはぎゅーと彼女を抱きしめて水飲んでくるねと言ってシャツを羽織って立ち上がる。 ぐんっと手を引かれてあたしが離れたはずのベッドにまた逆戻り。 もー…… 「なに?」 「飲ませてあげる」 彼女は自分用にいつもベッド横の棚に置いているスパークリングウォーターに手を伸ばした。 あたしはぬるいのは嫌だからいつも冷蔵庫から取っている。 にこにこしている彼女の機嫌を損なわないよう、受け入れることにした。 彼女の唾液と共に炭酸水が入ってくる。少ない量でも人のタイミングで飲むのは難しい。 あたしの口元からこぼれたものを彼女の舌がすくう。 よほど喉が渇いていたらしい。あたしは夢中で彼女に舌を絡める。 ふと部屋がかすかに赤く光った気がした。 え…… せつな? ぶはっ 彼女は呆然と女性と絡み合うあたしを見ていた。せつながハッとしてまた部屋が赤い光に包まれる。 「んー、汚いなぁ何?てか今なんか光った?」 「ごめっ、はぁ、気のせいだよ」 あたしは炭酸が逆流してヒリヒリする鼻をつまみながら、誰もいない場所を見つめていた。 ~side(S)~ あれはなんだったんだろう―― 部屋にいるとばかり思っていたのでアカルンに美希の自宅ではなく、美希のところへと命令してしまった。 メールに入っていた昼間の件の真摯な謝罪文に、気にしないでと直接伝えに行こうとしただけなのに。 美希が綺麗な女性と絡み合っていた。この間美希と会った時サングラスをかけていた人だろう。 美希は私に気づくと複雑な顔をしていた。 リンクルンがメールを知らせる。開くとやはり美希からで、明日8時にあたしの部屋に来てもらえる?と入っていた。 返信せずに布団に潜る。 ラブにもこれは相談できない。やっぱりまずは美希と話さなければいけない。 いつもみんなのお姉さんでいた美希。彼女に闇があったのだろうか―― 今すぐじゃなく明日の朝。彼女は今もあの女性と寝ているのだろう。私は一晩中寝れなかった。 ~~~~~~~ 「おはよ、せつな」 「………」 あたしは一睡もしていないが頭はやけにさえている。 目の前のせつなを見ながら缶コーヒーを口に含む。苦味が口内に広がった。 「昨日は……突然ごめん」 「ほんと突然」 せつなは真っすぐあたしを見た。 「あれは……恋人さん」 「違うよ」 「じゃあ……」 「お金をもらってる」 せつなは目を見開く。 「でも別にお金欲しいわけじゃないし。あの人だけじゃなく……他にも何人かと関係もってる」 「なんで……」 せつなは理解できないといった顔をしている。たいした理由はない。遊びなのだ。日常を刺激するスパイス。 「セックス好きなのかも」 「美希……だめだよ。やめて。そんなことしないで」 せつなは泣きそうになっている。なんで泣くのよ。面倒くさい。 「じゃあせつなが相手してくれる?ラブに内緒で」 わざと笑顔で吐き捨てるとせつなはキッと睨んだがすぐ悲しそうな顔になった。 「いいよ。美希があんなことしなくなるなら私と寝る方が安全だし」 「何言ってんの。意味わかんない」 イライラする。ラブを裏切る気もないくせに。勝手なこと言わないで。 せつなが正しいのはわかってる。だが否定的に言われると反発してしまう。 逆切れぎみにせつなを睨むとぞっとするような冷たい目を向けられた。 「刺激が欲しいんでしょう?満たしてあげる。親友の彼女なんて最高じゃない?そのかわり次にその人たちと会うときは先に私を呼んで。私で満足できなければ会いに行けばいい」 「ラブを裏切るの?」 「私はラブが好き。でも美希も大事。だからそんなことしてほしくない……でもわざわざラブに知らせる気もない」 馬鹿正直じゃないのよ私。 せつなはそう言った。その眼差しは真剣だった。 あたしはせつなに皮肉な笑顔を見せると、受諾の意味で柔らかい唇にキスをした。 「とりあえず帰って。シャワー浴びたい。寝たい」 せつなはあたしの髪に顔を近づける。 「あの時の……美希じゃない匂いがする」 「今からせつなの匂いをつける?」 わざと挑発するようにせつなに顔を寄せると、早くシャワー浴びればとせつなは素っ気なく言った。 こんな顔もするのね。 あたしはなぜか帰らないせつなをほっといて浴室に向かった。 「おかえり」 「まだいるの」 何が目的かわからないがとにかく今は眠い。あたしは髪を乾かすとベッドに潜りこんだ。せつなはそれをみると隣に入ってくる。 「何?昨日激しかったから体力ないよ」 「そうじゃないわ」 せつなはあたしを包み込むように抱きしめると私の目的は美希を救うことだからと言った。 ほんとイライラする。 抵抗する気力もなかったのであたしはやけに温かい布団の中で眠りについた。 み-506へ
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(この時間、みんなは何をしてるのかしら…。) 布団に潜り込み、ふと考え込むせつな。 寒い季節は人肌恋しくなるもの。 それは時として人を… 【せっちゃん無双~悪戯天使】 やっぱり最初はラブよね。 いっつも一緒にいるのに、お風呂や寝る時だけ別なんて。 あ、トイレも………。 時計の針はもうすぐ日付変更線。静かな時間。 ラブはもう寝てしまったのかしら? 今頃素敵な夢でも見ていたり。 そう考えるだけで幸せになれるせつな。 その赤い瞳の先に見据えるものとは… (アカルン。ラブの夢の世界へ―――) 実現出来ればどんな世界が待っているのだろう。 困った顔をして私を見詰めるアカルンにそっと 「ごめんなさい」 私は廊下に出て、ラブの部屋の前で歩を止める。 ネームプレートにはクリスマスの可愛らしいデコレーションが。 (ラブもやっぱり女の子ね) ドアを開けて、ベッドの近くまでそっと足を運ぶ。 相変わらず寝相が悪く、やれやれとため息を付く。 「風邪引いちゃうわよ」 ゆっくりと掛け布団をラブの体へ戻そうとすると。 (あ……) 寝相が悪かったせいか、パジャマがずれ落ちてしまい下着が 露呈しているのに気付いてしまった。 息を飲む。 ゆっくりと私の鼓動は高くなっていく。 掛け布団に伸ばしていた自分の手の動きが止まってしまい…… (―――少しだけなら) ダンスで鍛えられているのか、ラブのお尻はキュッと引き締まっているように思えて。 間近で女の子の――――ラブのキュートな部分を見ている事が凄く嬉しくもあり、 悪い事をしているような罪悪感にも襲われて。 (触れて……みたい) 気付かれないよう、私はゆっくり手を伸ばしていく。 「う……、うぅん…」 とっさに私は身を隠す。 心臓が止まるかと思った…。 暗闇の中で、私は一人冷静さを取り戻す。 (ラブ………おやすみなさい) 部屋に戻って布団に潜り込む。 ―――深く―――深く 初めて見た余韻を忘れないように、と。 (寝静まった頃に現れるなんてちょっと……ね) 昨日の情景がまだ頭から離れない。 キッチンでお皿を洗うラブの後ろ姿をそっと眺めながら。 私は部屋へ戻ると、机の上にあった雑誌をペラペラと捲っていた。 気持ちを落ち着かせる意味でも。 『クリスマスもバッチリ!完璧にキメちゃおう!』 目に飛び込んで来たのは、美希のカジュアルに着こなした大人っぽい姿。 いつみても彼女は素敵。ラブとはまた違った何かが彼女にはある…。 ―――魅力的――― この目で確かめてみたい。 気付いた時にはもう、私の手にはアカルンが。 (アカルン。美希の元へ―――) 赤い閃光に包まれた悪戯天使。 辿り着いた先には、赤い衣装を着た美希の姿が。 しかし、飛び込んでくる世界は小さな隙間から見える程度。 身動きも取りづらく。 (ここは……) クローゼット。暗闇の中、せつなは美希を凝視する。 「アタシ完璧!美希サンタさん登場。なんてね、うふっ」 鏡の前で色々なポーズをする彼女。そんな姿を、私は一時も離さず見詰める。 本当に完璧だなと思う。背も高く、手足も長く、清楚な輝き…。 「次はどれにしよっかな…」 ポージングを止め、ベッドの上に置いていた洋服を模索する美希。 「ラブやブッキーに負けたくないし。たまにはね」 手に取ったのはミニスカート。そして―――― (!?) 着ていた衣装を一枚ずつ脱いでいく。 徐に現れていく美希の隠された部分。 「綺麗…」 思わず口に出してしまう程、魅力的なその体。 下着に包まれた部分も―――――見てみたい 〝バサっ〟 (あっ!) 無意識に手が動いてしまい、掛かっていた洋服が落ちてしまった。 その音に反応する美希。 「ん?」 一歩一歩、こちらへ向かってくる彼女。 (アカルン!…?アカルン!!) 無い。アカルンが無い!暗闇で手元が見えない。このままじゃ!!! 「美希~。そろそろ出掛けるわよ~」 「ハーイ。今降りてくから。」 大きなため息。動揺。そして――――罪悪感 クローゼットから出ると私は深呼吸をして。 「ごめんなさい、美希」 再びアカルンで自分の部屋へ戻る事にした。 はぁ… 思いっきり溜息をついて、私はベッドの上に倒れこむ。 ラブ。 そして―――美希。 私の大好きな親友…なのに。 込み上げてくる感情がどうしても……抑えられない。 (少し落ち着かないと…ね) 理性を取り戻すため、目を閉じて休もうとしたその時。 リンクルンにメールの着信音が。 差出人はブッキーで。 『やったよせつなちゃん!クリスマスセールの福引で景品当たっちゃった♪開けるのすっごく楽しみっ☆』 可愛い文面。見ている私まで嬉しくなってしまう。 あなたのその可愛い笑顔をもっと、ずっと――――見ていたい。 けれど…、もうやめよう。いたたまれない感情だけが私に残るから。 我慢。我慢して…。…大丈夫だから… 時計を見ると、もうすぐ晩御飯の時間。 一階へ降りようとした瞬間、リンクルンにメールの着信音が。 『至福の源泉入浴剤の詰め合わせだったよー!どれにしようか迷っちゃう。 これから美白の源泉試してみよっと。今度せつなちゃんにもお裾分けするね!』 ブッキーったら。そんな事まで報告しなくてもいいのに。よっぽど嬉しかったのね。 ――――――お風呂―――――― 再び高鳴る鼓動。 脳裏に駆け巡るブッキーの笑顔。白い肌。そして、健康的な体。 クローバーの中でもっとも胸が発育してるのはブッキー、あなただと思う。 私………、私ね、もう… 廊下に光る赤い閃光。 行く先は勿論、祈里がこれから産まれたままの姿になるあの場所へと。 辿り着いたのは浴室の手前で。 ドアの向こうには彼女が…、ブッキーがいる。 お風呂場の光が、私のいる場所をかすかに照らしていて。 「あっ」 思わず声が出てしまう。綺麗にたたまれた着替え。 ゆっくりとしゃがみこみ、私はそれをそっと手に取る。 シャツの下には、彼女の豊満な果実を包み込むブラジャーが。 (大きい…) 手にとって初めてわかる実感。やはり、彼女へのイメージは間違ってなかったのだと。 「今から………私も…」 鼓動は最高点まで達していた。ドアノブに手を掛ける。 服を脱ぐなんて言う余裕など全く無くて。 気が付くと、私は自分の部屋へ戻って来てた。 アカルンはまだ不思議そうにこちらを見てる。 「ごめんなさい。私、どうかしてるわよね。」 「あれ?わたし、ブラジャー持ってこなかったっけ?」 競-104へ
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しばらく歩いていると、冬枯れの草に覆われた原っぱが現れた。 そこには人影と何やら動く物が見え、そして声が聞こえてくる。 「よし、ラッキー。つぎはエンジェル・キャッチだ!」 「ワン!ワン!」 「あれは、タケシ君・・・。」 「ラッキーちゃんも技が上達しているみたいね。」 「どうしよう、あたしタケシ君の分のチョコを作ってないよ。」 「アタシもよ。ていうか、あまり付き合いなかったからね。」 今、何もあげないでタケシ君に会う事は出来る。 でも私たちの持っているチョコを見れば、きっと悲しい思いをさせてしまうだろう。 かといって、美希やブッキーが心を込めた手作りのチョコはあげられない。 一体どうしたら・・・そうだわ! 「ここは私にまかせて。ブッキー、ちょっと来て。」 「えっ、何?せつなちゃん。」 ラブと美希を待たせ、私はブッキーと打ち合わせする。 数分後再び合流し、タケシ君のもとへ向かった。 「タケシくーん、こんにちはー!」 「あっ、おねえちゃんたちだー。こんにちは!」 「ラッキーも元気みたいね。」 「うん!またつぎのたいかいがあるから、れんしゅうしてるんだよ。」 「そうなんだ。ねえ、タケシ君。」 「なに?せつなおねえちゃん。」 「今日はね、バレンタインデーなのよ。知ってる?」 「うん。チョコがもらえるひだよね。ぼく、ママからもらっただけだよ。」 「私と祈里お姉ちゃんからプレゼントがあるんだけど、もらってくれる?」 「えっ?いいの?」 私とブッキーはそれぞれ紙袋からチョコの箱を取り出す。 それは昨日、駄菓子屋のおばあさんからもらったベリー・パッション味のチョコだった。 「タケシ君。はい、どうぞ。」 「わー、ありがとう!いのりおねえちゃん。」 「そこにメッセージが書いてあるから読んでみて。」 「うん。じゃあ、よむよ。」 ――タケシくんへ れんしゅうがんばってるね。 ラッキーのことはウチのびょういんで めんどうみてあげるから これからもよろしくね。 いのり 「ありがとう、がんばってたいかいにゆうしょうするよ!」 「うん、わたしも応援してるから。きっと勝てるって信じてる!」 「タケシ君、これは私から。祈里お姉ちゃんのと同じものだけど。」 「せつなおねえちゃんもありがとう。なんてかいてあるかな?」 ――タケシくんへ あなたとおともだちになれて たのしかったわ。 さよならしなくちゃいけないけど またいつかあおうね。 せつな 「せつなおねえちゃん。ぼく、なかないよ。おとこのこだもん!」 「えらいわ、タケシ君。きっと帰って来るからね。」 「それじゃ、タケシ君さようなら。また遊びましょう。」 「うん、バイバイ。おねえちゃんたち。」 タケシ君と別れ、私たちもここで解散することにした。 美希とブッキーは、これからデートらしい。 楽しんできてとエールを送ると、あなたたちもね、と返された。 昼過ぎに帰宅し、ラブと二人でお昼ごはんを食べた。 その後、家族みんなでオリンピックというスポーツの大会のテレビ中継に興奮して、おやつどきを迎えた。 「私、お茶をいれてくるわ。」 「じゃあ、あたしはお菓子を持ってこよっと!」 全員分のお茶を用意し、テーブルへ運ぶ。 ラブは美希とブッキーからもらったチョコレートを持ってきた。 それに加えて例のベリー・パッション味のチョコの箱が見えた。 「あれ?ラブ、それって誰かにあげたんじゃないの?」 「うん。あげたよ。あげたけど、今さげてきたんだ。」 変なの?と思いつつ、その箱を手に取る。 裏面のメッセージ欄に目を移すと、私は思わず言葉を失った。 ――おじいちゃんへ ねえ、おじいちゃん。 あたし、この1年で愛と幸せについて たくさん学んだよ。 おじいちゃんの願いでもある、 幸せを与えられる人になれるように頑張るから。 これからも、あたしたちを見守っていてね。 ラブ 「ラブ・・・あなたって子は・・・。」 「やだなあ、せつな。ほら、早くお茶にしようよ。」 家族とのティータイムで、ラブがおじいさんにあげたチョコの話をした。 おかあさんは、それは「お供え」という習慣よ、と教えてくれた。 おとうさんは、バレンタインデーの本来の意味を話してくれた。 遠い昔の外国の祝日、またその日に合わせて1人の聖職者が処刑された、それが2月14日だと。 でも今では世界中で、恋人たちの誓いの日として定着していることも。 おしゃべりの続きはラブの部屋でしよう、とタルトたちも連れ込んだ。 「ねえ、タルト。スウィーツ王国にはバレンタインデーは無いんでしょ?」 「そんなん無いに決まってますやろ。」 「えー、でもタルトさま。こないなオモロイ風習、国王さまに掛け合ってスウィーツ王国でも取り入れたらどないどすえ?」 「キャッキャッ、プリプー!」 「せ、せやな。王国に帰ったらオトンに相談してみるわ。」 「せつな、ラビリンスにもバレンタインデー作るの?」 「そうね、こちらの世界の良いところは積極的に採用するつもりよ。」 「わはー、じゃあこれからもずっとバレンタインデーが楽しめるんだね。ラビリンスのみんなも幸せゲットだよ!」 「まあ、ラブったら。フフフ・・・。」 ラブ、楽しい1日をありがとう。 来年からも、この日にはチョコを贈るからね。 ~おわり~ 競-573はスピンオフ作品となります。
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ブレイザーの長 ラスボス。 すべてを燃やし尽くす存在。 オーブン王国のある暴走によって生み出された存在。 と、当初は思われていたが、オーブン王国は妖精たちの熱と炎にまつわるエネルギーを管理する国家である。 だが、妖精たちはプリキュアに庇護され、多くの脅威をはねのけてきたことから大きく繁栄し、彼らの起こす熱と光だけではまかなえなくなった。 そのため、オーブン王国の宮廷魔術師が、掌程度の大きさで山脈すべての薪を燃やすより大きな熱と光を生む力を作り出す。 だが、その炎はあまりにも大きすぎて、すべてのいけとし生きるものを焼き尽くす勢いになった。 オーブン王国はその炎にまかれて滅亡、炎は他の妖精の国をつぎつぎと飲み込み始めたのである。 大きさは計り知れないはず。ただし、プリキュアと殴りあうときは大柄な人間並。 殴りつけたりすることは不可能ではない。 姿は黒い炎のようなものに包まれている感じ。近い姿はカプコンの格闘ゲーム「ヴァンパイア」シリーズのパイロン。 とにかく、プリキュアがプリキュア理論で超ブーストしないと倒せない相手。 他の設定で4人技でなければ、という記述があったが、あの技自体がその超ブーストに裏づけされたものである。 最後はディベロップメントブレッシングで、人々の希望の炎に生まれ変わることになる。例えば五輪の聖火とか。 イメージとしては、核分裂とか核融合で生み出されるような、莫大なエネルギーの存在。 いわば、その場に存在する恒星のようなもの。 あるいはむき出しの原子炉。つまり存在するだけで人々を滅ぼすようなもの。 おくうとは関係ない。
https://w.atwiki.jp/rozen-jk2nd/pages/34.html
百合カップリングはこちらに… 女の子同士じゃ何も生産しないんだぜ。とか、女の子同士の恋愛なんて興味すらないんだぜって人は即リターン
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140文字SS:トロピカル~ジュ!プリキュア【1】(10話保管) 140文字SS:トロピカル~ジュ!プリキュア【2】(10話保管) 140文字SS:トロピカル~ジュ!プリキュア【3】(10話保管) 140文字SS:トロピカル~ジュ!プリキュア【4】
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少女の顔立ちに宿る、確かな面影。そして何より、見覚えのある、大きすぎて裾の余ったぶかぶかのお洋服。 その女の子は……確かにラブの親友で、仲間で、家族でもある、“東せつな”その人であった。 「せつな……だよね? どうしちゃったの? まさかっ!」 「黙れっ! 違うと言ったはずだ!」 少女は、苛立ったように睨みつけながら吐き捨てる。その様子も、まるで子供の癇癪のようで可愛いのだが、やっぱりラブにはそう感じる余裕はなかった。 「ううん、せつなだよ! 聞いて、あなたは――」 「こぼれてる」 少女は、床の一点を指差す。その先には、ラグカーペットの上に落ちて、中身の飛び散ったハーブティーのカップがあった。 「えっ?」 「お茶を持ってきたのだろう? そんなザマで、メビウス様のお役に立てるものか!」 「あっ、ゴメン! せつなのカーペット、染みになっちゃう」 ラブは慌てて何か拭く物を探す。ハーブティーは色が薄く、目立つ染みになるとは思えない。それでも、せつながどれほど部屋の物を大切にしていたかを思うと、僅かでも汚したくはなかった。 背に腹は変えられない。少し迷ってから、持ってきていたお手ふきで拭くことにした。しゃがみこんで、ゴシゴシとカーペットをこする。 その背後に、少女が素早く回りこんだ。 「きゃっ! せつな!? 何をするの?」 「動くな! 抵抗すれば、このまま首の骨を折る!」 少女の細い腕が、ラブの首に食い込んでいた。ゴホッ、ゴホッ、とラブが咽たので、少しだけ力が緩められる。 「離して! せつな、どうしちゃったの?」 「どうしただと? それはこちらのセリフだ! ここはどこだ? いつ、どうやってわたしをさらってきた?」 ラブは少女の腕を掴み、力いっぱい引き剥がそうとする。しかし、両手を使っているにも関わらず、片手で拘束している少女の腕はビクともしなかった。 腕の太さだって、ラブの半分ほどしかないのに。 「せつなは……さらってきたんじゃない。ここがあなたの家なの」 「その名で呼ぶのはやめろ、わたしの名前はイースだ。これ以上たばかる気なら、本当に――」 「やれば、いいよ」 「なにっ!?」 ラブは抵抗を止めて、身体の力を抜く。反動で少女の腕はラブの首に深く食い込み、ラブは更に咽る。 そのまま激しく咳き込みそうになるのを、グッと堪えた。 「お前は、命が惜しくないのか?」 「せつなはあたしを――ううん、誰だろうと、人を傷つけることなんてできないよ」 「メビウス様のためなら、できる!」 「もう、メビウスはいないよっ!」 「貴様っ!」 少女の声に怒気が篭る。ラブはこの先に与えられる苦痛を覚悟して、目を閉じて歯を食いしばる。 しかし、少女の腕に再び力が込められることはなかった。 「せつな?」 「全部――話せ。嘘かどうかは、わたしが判断する」 ラブは少女に拘束されたまま、これまでの出来事をかいつまんで話していく。 その格好は、ちょうどお姉さんが妹をおんぶしているような体勢であり、見る人が居ればきっと微笑ましく映ったことだろう。 もっとも、本人たちはいたって真剣であった。 「馬鹿な……。メビウス様がコンピューターだっただと? しかも、裏切ったわたしが倒したというのか? そんなこと、信じられるものか!」 「ラビリンスの人たちを裏切っていたのは、メビウスの方だよ! せつなはラビリンスを救って、みんなを開放したの」 「――嘘だっ! 全部でたらめだっ!」 「ゴメン――酷いこと言ってるのはわかってる。今のせつなは子供なのに……。でも、こんな大切なことで嘘なんて付けないよ!」 それから先、しばらくの間、二人とも一言も口をきかなかった。部屋の中を、重苦しい沈黙が支配する。 やがて少女の腕が緩み、ラブの拘束が解かれる。 「せつな……」 「もういい、眠れ」 トンッと、少女の手刀が、振り向いたラブの正面の首筋に命中する。 軽く、当たっただけだった。痛みも、衝撃すらも感じないまま、ラブは崩れ落ちるようにその場に突っ伏した。 『たいへん! せつなが消えちゃった!? ~子供の頃のクリスマス~(承の章)』 紺色のジャケットが、まるでコートのように腰にまで届く。太ももが露出するはずのプリーツスカートは、セミロングのように膝小僧までを覆い隠す。 ベルトと靴の紐をキツく絞る。ダブダブの赤いシャツは、裾を幾重にも折り畳み、余った丈は腰の辺りでクルッと結んだ。 それでやっと自由に動けるようになった少女は、クローバータウンストリートの商店街を練り歩く。 「目障りで、耳障りだ……。どうして、こんなに騒々しい」 街はクリスマスに浮かれ、大勢の人通りで賑わっていた。商店街では至る所からクリスマスソングが流れ、客引きの大声が飛び交う。 街路樹には、華やかなイルミネーションが輝き、店先は色鮮やかな装飾で飾り付けられていた。 それ以上に少女を戸惑わせたのは、周囲の人々の表情だった。 人数としては、大したことはない。この何倍、何十倍、何百倍もの人間を見たことがある。 だけど、ラビリンスの人々はみんな無表情で、それが当たり前だと思っていた。ある程度なりとも感情を表すことが許されているのは、幹部級の人間だけだったからだ。 街もそう。もっと大きな建物ならいくらでもあった。だけど、これほど無秩序で、色彩に富んで、華やかな建築物など見たことがなかった。 音も同じ。メビウス様のお話なら、もっと音量は大きかった。だけど、このような意味の無い音のつながりは何だ? 呪文のように繰り返される声にどんな意味がある? 「苛立たしい……」 少女は徐々に怒りを溜めていく。しかし、試してみたが、どういうわけかスイッチ・オーバーを使うことはできなかった。 いや、先ほどの女の説明を聞く限り、理由は明白だったのだが、それは認めるわけにはいかなかった。 この身体のままでは、そこいらの脆弱な人間よりはマシだとしても、この人数を相手に暴れて勝ち目はない。 仕方なく耳を塞いで、視線を下に落としながら、少女はあてもなく歩き続ける。やがて、今度は嗅覚が反応した。嗅いだことのない不思議な匂い。それは、確かに食べ物の匂いだった。 食料の置いてある建物なら、いくつか通り過ぎてきた。だけど、そこから薫る微かな匂いは、これまで一度も体験したことのないものだった。 ちょうどお腹が空いていたこともあって、少女はフラフラと匂いのする方向に引き寄せられていく。すると古ぼけた小屋の奥から、しわがれた老婆が出てきて声をかけた。 「おや、いらっしゃい」 「ここは何だ?」 「何だとはなんだい。口の利き方の知らない子供だね。だけど、見たことがある気がするね。どこから来たんだい?」 「聞いているのはこちらだ。これは何だ?」 「ふん、それはチョコレートってんだよ。あんた食べたことないのかい?」 「知らない」 「なら食べてみな、幸せになれる味さね。お金がないのなら」 老婆が最後まで話すのも聞かず、少女はその板状のお菓子を掴んで、背を向けて走り去った。 「お待ち! 飛び出しちゃ危ないよ! そんなことしなくても」 老婆がモタモタと追いかける。しかし、少女の足には到底追いつくはずもない――いや、追いつかないはずだった。 逃走しようとする少女の前に、いかつい制服姿の男が立ちはだかる。じわじわと距離を縮め、少女を取り押さえようとしていた。 「そこの女の子、止りなさい。何を持っているんだね? それにその格好は?」 「どけ! 邪魔をするな!」 「……大人しくしなさい。ちょっと署まで来てもらうよ」 「忠告――したぞ!」 少女は自分を捕らえようとする腕をかいくぐり、相手の懐に飛び込む。そのまま勢いを殺さず、軸足の重心を切り替えて男の足を蹴り飛ばした。 足を払われた形になった男は、尻餅を付いて地面に倒れこむ。そこに、追撃――少女の拳が相手の胸を打つべく迫っていた。 「とどめだ!」 「ひぃ!」 パァァ――ン とても、子供が放ったとは思えない強力な一撃は、横から割り込んできた人物によって受け止められる。 少女の攻撃を阻んだのは、真っ赤な服を着た男だった。 先の尖ったキャップを被り、そこから長い白髪が伸びている。口元には白いヒゲがたくわえられていた。 その男は、正面から受け止めたのではなかった。片手を真っ直ぐ差し出して、掌で受けたのだ。 それでいながら――これほどの音を立てる威力の拳を受け止めていながら、その腕はまるで微動だにしていなかった。 「サンタクロース? 売り子の方ですか? ご協力感謝します」 「…………」 赤い服の男は答えない。それを不気味に思い、少女は一歩後ずさった。 別に、制服の男は恐れるに足らない。だが、横から割り込んできた、このサンタクロースと呼ばれる男は危険だった。 直線の最短距離を走る突きを、「線の動き」で払うのではなく、「点の動き」で受け止めたのだ。それは、少女を遥かに超えた戦闘能力の持ち主であることを示していた。 「さあ、君、大人しく来るんだ」 「くっ……」 「お待ち!」 少女が、声のした方向を振り返る。そこには先ほどの老婆が立っていた。手に、たくさんお菓子が詰まった袋を持って。 「離しておやり。その子は知り合いの子でね、何か粗相があったならあたしが謝るよ」 「はっ! いえ、子供のしたことですし、身元を保証していただけるのであれば……」 「これを持ってお行き。あんまり親に心配かけるんじゃないよ?」 老婆は、制服の男――警察官には答えず、少女に手にした袋を渡す。少女は周囲を警戒しつつ、それをふんだくるように受け取った。 お礼も言わないまま、少女は背を向けて走り出す。サンタクロースは、いつの間にか姿を消していた。 警察官は一瞬どうしようか迷ったようだったが、人ごみを掻き分けて走り去った少女を今から追ったところで、到底捕らえられるとは思えなかった。 人ごみに疲れた少女は、休憩できる場所を探して広場に来ていた。木陰に座り、奪ってきた――ことにした、お菓子を口に運ぶ。 「甘い……。こっちは、しょっぱい。そして――美味しい……」 空腹だったせいだろうか? 知らない場所で、緊張していたせいだろうか? いや、きっと美味しすぎるせいなのだろう。 少女はお菓子をパクパクと口に運び、あっという間に食べ尽くしてしまった。 目の前では、数人の少年が歓声をあげながら、まだら模様のボールを蹴っていた。 歳は、少女と大して変わらないだろう。楽しげに球を奪い合う彼らには、まるで真剣さがなく、それが訓練の類ではないことが容易に想像できた。 「くだらない……。愚かで、ばかばかしく、意味のない行為だ」 まるで自分に言い聞かせるように、少女は小さく口にする。何度も、何度も、口にする。 でも、なぜか目はボールの動きを追っていて―― ポン、ポン、ポン、 少女の目の前に、まだら模様のボールが転がってくる。反射的に手を伸ばそうとして、すぐに引っ込めた。 自分に命中したわけではない。報復する必要はない。 かと言って、わざわざ取って渡してやる義理もない。 (すぐに取りに来る。だけど、ちょっと触るくらいなら……) 結局、手に取ることにした。ボールは思ったよりも重くて、固くて、しっかりとしていた。 これなら、自分が本気で蹴っても壊れないかもしれない。 ふと、そんな思いが胸を掠めて、少女は愕然とする。 (うらやましいというのか? あんな、くだらない遊びが……) 「ねえ、君っ! ボール取ってくれてありがとう!」 ボールを手にして考え込んでいる間に、少年の一人が取りに来ていた。 おめでたいと思う。自分は返すなどとは、一言も口にしてないというのに……。 「ありがとう!」 結局、少女は黙ってボールを差し出した。自分を信頼しきった瞳が曇るのを、なんだか見たくなかったからだ。 しかし、少年はすぐに立ち去ろうとはせずに、じっと少女の様子をうかがった。 「ねえ!」 「なんだ! まだ何か用があるのか?」 「よかったら、一緒にサッカーやらない?」 「わたしが――一緒に?」 「うん。さっきから、ずっとこっち見てたでしょ? 僕たちもちょうど一人足りなかったし」 「ルールを、知らない……」 それは、少女の精一杯の抵抗だった。さっきから、何十分も観ているのだ。 それだけで、この聡明な少女は、それがどのような遊びか。何が許されて、何が許されないのか。どうすれば勝ちなのか。ほぼ完全に把握していたのだった。 「女の子だもん、しょうがないよ。おいおい教えるからさ、まずはやってみようよ。僕の名前はタケシっていうんだ。君は?」 「イース……」 「イースって……あの? まさかね、歳が全然違うもん。外国の人みたいな名前だね。じゃ行こう、イース!」 「うん……」 二人は、他の四名と合流する。「女で大丈夫かよ?」「スカートはまずいんじゃないか?」などと口にする者もいたが、なぜか少女は腹が立たなかった。そのどれもが、少女を心配しての発言だったからだろうか? 少女は、「ハンデにちょうどいい」と言って、挑発的なセリフで彼らを煽った。もっともそれは、謙虚なまでに控え目に伝えた事実でもあった。 三対三のゲームが始まる。フットサルではなくミニサッカーと呼ばれるもので、十一人形式と同じルールで行われるらしい。もっとも、これしか知らない少女にはどうでもいいことだった。 四角い形に、マーカーで線を引いただけの簡単なフィールドが作られる。十メートル四方のそれは、グリッドというらしかった。 少女は、まずはディフェンスから。相手チームの二人は、三角を描くようなパス回しで攻めて来る。 ドリブルもパス回しも十分にスピードがあり、頻繁に遊んでいることが見てとれた。少女とて、見学も無しで参加すれば、その動きに付いていけなかったかもしれない。 しかし、少女は既に、各人の動きのクセや、パターンや、利き足までも把握していた。シュートの手前のパスを、あっさりとインターセプトする。 「ウソだろっ!?」 「いつの間に回りこんで来てたんだ!」 急停止と急加速。少女は、格闘術の応用で重心を自在に操り、右に左に、変幻自在なドリブルでゴールに迫る。 そして、シュート! そこで、少女に心理的ブレーキがかかる。 (本気で蹴ったら、ボールが壊れてしまうかもしれない。それに、この者たちに怪我をさせるかもしれない) その迷いの一瞬の隙を突かれて、ボールを奪われてしまう。 仲間のガッカリした声と、敵側の安堵の声。少女はすぐに我に返り、再びボールを取り戻しに走る。 (今――わたしは何を考えていた? 仲間? ばかばかしい……。だけど――) ゲームは完全に少女が支配していた。ラビリンスの、命がけの訓練で鍛え上げた運動能力と、幹部候補として培った空間把握能力。 誰も真似のできない動きでボールをキープしつつ、まるで上空に目があるかのように、敵味方の位置と動きを把握する。 「せめて一点くらいは返そうぜ! 食らえ!」 「そうは、させないっ!」 いつの間にかディフェンスに回り込んでいた少女が、相手のシュートを胸で受け止める。 ボールは少女の身体に触れた瞬間に威力を失い、ストンとその足元に落ちた。 「ウソだろ? あれって、クッションコントロール?」 「シュートを真下に落とすって、すげえ高等技術じゃないか……」 「上がれっ!」 少女の指示によるカウンターアタック。それは、上に立つ者としての適性の表れだろうか。 いつの間にか、攻撃の組み立て、即ちビルドアップすらも自分の物にしていた。 少女のキラーパスが、ディフェンスの股の間を抜いて味方に届く。絶妙なパスで、キレイにゴールが決まった。 「またやられた! ダメだ、これじゃあ、勝負にならねえよ!」 「なら、メンバー組みなおそうぜ。今度は、こっちがイースをもらうからな!」 いつの間にか、少女の奪い合いになっていた。少女は今度は、敵だった者と仲間になって、一緒に走り、一緒になって戦った。 五人全員が、なんだか大切な存在に感じられて―― 「イース! そのまま打て!」 パスするつもりだった味方が叫ぶ。これまで、少女は一度もシュートを打たなかった。そこで相手は、組しやすい他のメンバーを徹底的にマークすることで、少女の居るチームの得点を防いでいたのだ。 少女もまた、自分で打ってみたい欲求に耐え切れなくなっていた。もともとが勝気な性格でもあった。 (キーパーの居ない方向に打てば……) 少女は力いっぱいに蹴り足を振りぬく。サッカーボールは激しい勢いで飛んで行き―― これまでは、主にパスしか打っていなかった。五分以下の力だからこそ、完全なコントロールができていた。 しかし、いかな少女とて、今日始めたばかりの球技で、まして生まれて初めて打つシュートで、全力の球を狙い通りコースに決めることなどできるはずもなくて―― 「うわっ! …………」 そのボールは狙いを外れ、キーパーのタケシの正面に打ち込まれる。突き出した彼の両手のガードを貫き、顔面をも弾いてゴールに吸い込まれていった。 「おいっ! 大丈夫かよ?」 「すっげえ鼻血出てる。誰かティッシュ持ってない?」 「指が痛いってよ、突き指したんじゃないか?」 「まずいよ、病院連れてった方がいいと思う。俺、大人の人呼んでくる!」 全員が、負傷した少年を取り囲む。少女はその中には入って行けず、青ざめた顔のまましばらく立ちすくんで―― やがて、逃走するように背を向けて走り去った。 新2-474へ
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誰が言い出したのか、わたしたち4人は今日も集まっていた。 場所はいつものところ。桃園家のラブちゃんの部屋だ。 「今日はポッキーゲームをする日だって決まってるんだよ!」 「そうなの? どうやってするの?」 「ポッキーを両端から食べるの。長く食べた方が勝ち。途中で止めた人は罰ゲームだからね」 何も知らないせつなちゃんに、やり方を説明するラブちゃん。罰ゲームの内容なんて聞くまでもない。 そんなラブちゃんを、美希ちゃんは面白そうに眺めている。どうして教えてあげないんだろう。そんなのは嘘なんだって。 だけど、そんなの決まってる。せつなちゃんの唇に口づけたくてたまらないラブちゃんに、ほんの少し肩を貸しているだけ。 そんな美希ちゃんを黙って見ているわたしもまた、ラブちゃんに味方している美希ちゃんと同罪だ。 「まだよくわからないわ」 小首を傾げてみせるせつなちゃんはホントに可愛い。ラブちゃんが好きになるのも無理ない。 「じゃあ、美希たんとブッキーにやり方見せてもらおうか」 「ええ、お願いします。美希、ブッキー」 「ハア!?」 さっきまでニマニマしていた美希ちゃんは、顔を紅くしたり蒼くしたりで余裕を無くして忙しそう。 「いいよ。美希ちゃんやろう」 わたしは、ポッキーを一本手に取り、彼女に向かい合う。 「こんなの、ただのゲームだよ美希ちゃん」 そう言うと、彼女を安心させるために笑いかけた。 だけど、その言葉は逆効果だった。 何も言わず立ち上がり、乱暴にドアを開けて、美希ちゃんは逃げ出した。 「あーあ……」 「失敗しちゃったわね」 残念がるふたり。何が起こったのかわからない。 「ふたりとも素直じゃないんだもん。ね?」 ラブちゃんの言葉に、せつなちゃんが頷く。さっきまで、素直じゃないのはあなたたちだとばっかり思っていたわたしは、ただポカンとしている。 「追っかけないの?」 ラブちゃんの言葉に促されるように慌てて鞄を拾い上げると、廊下に飛び出した。 案の定、公園で見慣れた後ろ姿を見つけると、そっと近づいて言う。 「ごめんなさい」 驚いて振り返る彼女は、瞳にいっぱいの涙をためている。瞬きをすれば一瞬であふれそうなそれを、わたしは唇で舐め、掬い取る。 「ホントはゲームだなんて思ってないから。だから……」 美希ちゃんの涙で舌がしょっぱい。わたしはこれ以上言葉を見つけられない。言葉のかわりに、美希ちゃんのつやつやしたくちびるに少し乱暴にくちびるをぶつける。 美希ちゃんは、痛いじゃないと言って笑った。 綺麗な美希ちゃん。意地悪な美希ちゃん。大人っぽい美希ちゃん。だけど、この時わたしは知ったのだ。わたしにしか見せない、誰も知らない美希ちゃんを。 end